研究課題/領域番号 |
20K07098
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
|
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
門脇 真 富山大学, 学術研究部教育研究推進系, 特別研究教授 (20305709)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 炎症性腸疾患 / DNB解析 / 未病 / 漢方薬 / マスト細胞 / 神経新生 / NO神経 / 炎症性腸疾患(IBD) / 未病遺伝子 / 神経細胞死 / nNOS陽性腸管神経 / 再燃 / IL-10 / 腸管マクロファージ / 粘膜修復 / リポジショニング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、DNB解析によって予測された未病・再燃前状態で大きく揺らぐ遺伝子群、それに関連したタンパク質群及びパスウェイ群を標的にする漢方薬を、KampoDBにより探索する。このような方法論を確立する事により、未病・再燃前状態での揺らぎを効率的、効果的に制御する漢方薬による薬剤介入という新しい治療戦略の構築に繋げる。
|
研究成果の概要 |
炎症性腸疾患は寛解と再燃を繰り返す難治性の慢性炎症疾患であるが、その病態生理学的機序は不明である。そこで、状態遷移の臨界点での「生物学的ゆらぎ」を捉える動的ネットワークバイオマーカー(DNB)解析を用いて検討した。DSS大腸炎モデルで経日的に大腸を摘出し網羅的全遺伝子発現解析を行った、その結果、大腸炎の症状は5日目以降で顕著に現れたが、網羅的全遺伝子発現データのDNB解析により、3日目に多くの遺伝子が相関して大きくゆらぎ、未病状態を検出した。さらに、数理学的重要度ランキングを行い、マスト細胞マーカーが最上位に位置し、マスト細胞が大腸炎の未病状態を規定する因子である可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、IBDモデルを用いてDNB解析により未病状態を検出して、さらにDNB遺伝子群の病態生理学的意義を解明し、適切なタイミングで適切な漢方薬を利活用して最適な薬剤介入を行う新たなIBD治療戦略の構築を目的としている。本研究の結果、これまで病態への関与があまり報告されてきていないマスト細胞が、IBDの未病状態で大きな役割を果たしている可能性を見出した。また、未病状態での薬剤介入に漢方薬が有用である可能性を見出した。この様に、未病状態での薬剤介入により健康状態へ戻す根本的治療薬の創製は、従来の病態を制御する創薬研究とは一線を画すものであり、創薬スキームのパラダイムシフトを提起するものである。
|