研究課題/領域番号 |
20K07124
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
|
研究機関 | 公益財団法人微生物化学研究会 |
研究代表者 |
百瀬 功 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所 沼津支所, 主席研究員 (10270547)
|
研究分担者 |
飯島 正富 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所 沼津支所, 研究員 (10184342)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | がん代謝 / インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ / 乳酸デキヒドロゲナーゼ / キヌレニン / 乳酸 / 免疫チェックポイント / 乳酸デヒドロゲナーゼ / 免疫チェックポイント阻害剤 / 複合的がん免疫療法 / キヌレニン産生阻害剤 / 乳酸デヒドロゲナーゼ阻害剤 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害剤はがん治療に革新をもたらす画期的ながん免疫療法と考えられている。しかしながらその奏効率は10-30%と不十分なため、その治療効果を向上させる新たな治療法の開発が望まれている。がん細胞は、免疫細胞からの攻撃を回避するためにアミノ酸誘導体キヌレニンおよび乳酸を利用していることが知られている。そこで本研究では、新しいキヌレニン産生阻害剤およぼ乳酸デヒドロゲナーゼ阻害剤を開発し、これらを利用することにより免疫細胞の活性化による免疫チェックポイント阻害剤の治療効果の向上について検討する。
|
研究成果の概要 |
免疫チェックポイント阻害剤は画期的ながん免疫療法と考えられているが、その奏効率の低さが問題となっている。そこで本研究では免疫チェックポイント阻害剤の治療効果を向上させるために、がん免疫に抑制的に作用するキヌレニンおよび乳酸を減少させる薬剤を探索した。ヒトがん細胞の産生するキヌレニンを減少させる物質としてセリン誘導体を見出した。本化合物は、血清により代謝された代謝物がインドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼを阻害することにより、キヌレニン産生を抑制した。また乳酸デヒドロゲナーゼに対する阻害剤を探索したところ、昆虫病原糸状菌カメムシタケの産生するシュウ酸が、LDH阻害活性を示すことを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において見出されたセリン誘導体が、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)に対して阻害活性を示すことを発見した。IDOはトリプトファンを基質することから、トリプトファンをリード化合物として阻害剤が開発されてきたが、セリン誘導体にもIDO阻害があることは、阻害剤開発のケミカルスペースを押し広げることになり、学術的に高い意義がある。日本での死因第一位は「がん」であり、本研究はがん治療薬の開発に繋がる研究であることから高い社会的意義がある。
|