研究課題/領域番号 |
20K07136
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
袁 博 城西大学, 薬学部, 教授 (10328552)
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研究分担者 |
岡崎 真理 城西大学, 薬学部, 教授 (50272901)
玄 美燕 城西大学, 薬学部, 助教 (50711751)
菊地 秀与 城西大学, 薬学部, 准教授 (60614055)
宮下 振一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (60614766)
松崎 広和 城西大学, 薬学部, 助教 (80582238)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 膠芽腫 / ヒ素化合物 / ブファジェノライド / 細胞死 / 細胞周期 / Notchシグナリング / DNAダメージ / ブファジエノラ イド / ガンマブフォタリン / オートファジー / G2/Mアレスト / Arsenic compound / Bufadienolides / Glioblastoma / Antitumor activity / Combination therapy |
研究開始時の研究の概要 |
難治性膠芽腫の化学療法には、薬物耐性や副作用という問題点がある。また、近年の診断技術の発達および分子標的薬の開発に伴い、医療費の増大も懸念されていることから、既知薬物の新規有効性(適用拡大)を検討することも重要な治療戦略となっている。 ヒ素化合物は急性前骨髄球性白血病に優れた治療効果を示している。ブファジエノライドは漢薬センソの主成分の1つであり、がん治療補助薬として臨床応用されている。 本研究の大きな目的は、安価な既知薬物であるヒ素化合物の新規有効性に着目し、「ヒ素化合物とブファジエノライドの併用は、副作用の少ない新たな膠芽腫化学療法の1つになり得るか。」について検証することである。
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研究実績の概要 |
昨年度までに、膠芽腫細胞U-87に対する亜ヒ酸ナトリウム(AsIII)、ブファジェノライドのarenobufagin (Areno)およびgamabufotalin (Gama)の併用効果を比較検討したところ、AsIII+Gamaと比較し、AsIII+Arenoの方がより効率よくU-87細胞の増殖を抑制することが明らかにされた。また、Arenoがヒ素の細胞内への取り込みに促進した結果、細胞内ヒ素蓄積量が高まり、AsIIIの増殖抑制効果を高めることが示唆された。既知のヒ素による細胞毒性に関わるトランスポーター阻害剤等がどのようにAsIIIの細胞毒性に影響するかを検討し、トランスポーターの関与を引き続き検証する。 また、U-87担がんマウスにAsIII、Arenoをそれぞれ単独、併用投与したところ、コントロール群と比較し、薬物投与群の腫瘍増殖抑制傾向が認められた。最も重要なことに、いずれの投与群の動物にも明らかな毒性所見が認められなかった。興味深いことに、担がん動物由来血液の生化学検査より、AsIII+Arenoの併用が肝・腎・膵機能および電解質代謝に影響をしないこと、タンパク質代謝改善とLDH漏出の改善をもたらした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in vivo実験について、担がんマウスに薬物を投与したところ、コントロール群と比較し、薬物投与群における腫瘍組織増殖の抑制傾向が観察された。また、腫瘍組織におけるタンパク質解析ができなかったものの、動物由来血液の性科学検査を実施し、有望なin vivoデータが得られている。今後、可能な限り動物数を増やし、in vivo実験を中心的に進めていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られたin vitroおよびin vivoのデータを踏まえ、動物数を増やし、in vivo実験を中心的に進めていきたい。動物由来血液における生化学検査の実施とともに、腫瘍組織におけるキータンパク質発現の変動を検証する。
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