研究課題/領域番号 |
20K07144
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 (2021-2022) 大阪薬科大学 (2020) |
研究代表者 |
永井 純也 大阪医科薬科大学, 薬学部, 教授 (20301301)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アルブミン / 腎近位尿細管 / プロスタグランジンE2 / HIF-1 / 腎線維化 / 腎近位尿細管上皮細胞 / プロスタグランジントランスポーター / アラキドン酸 / アラキドン酸カスケード / シクロオキシゲナーゼ阻害剤 / シクロオキシゲナーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、腎近位尿細管上皮細胞にアルブミンを負荷した際に誘導されるHIF-1活性化とPGE2を生成するアラキドン酸カスケードの関係性を明確にする。腎近位尿細管上皮細胞がアルブミンで曝露されることでHIF-1が活性化されること、PGE2生成が増加することのいずれも、我々の一連の研究によって見い出された結果であるため、それを踏まえた本研究の学術的独自性は非常に高い。また、アルブミン誘発腎障害におけるPGE2やそれを生成するアラキドン酸カスケードの関与が明確になれば、CKD進行抑制の標的分子としてEPレセプターやシクロオキシゲナーゼが候補となる可能性も考えられ、本研究の学術的創造性もきわめて高い。
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研究成果の概要 |
本研究では、腎近位尿細管上皮細胞におけるアルブミン誘発HIF-1活性に及ぼすPGE2の関与について調べるため、in vitroとin vivoで解析を行った。ヒト腎近位尿細管上皮細胞株HK-2を用いたin vitro実験では、アルブミン処理により濃度および時間依存的にPGE2生成を増加させることを認めた。アドリアマイシン誘発腎障害モデルマウスを用いたin vivo実験では、アドリアマイシン投与後にアルブミン尿が観察されるとともに、PGE2、PGE代謝物およびPGF2αの尿中排泄量が増加することを観察した。以上、アルブミン誘発HIF-1活性化にPGE2生成の増加が関与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糸球体から漏出したアルブミンによる尿細管障害発症に関する研究は、これまでに様々な解析が進められてきたが不明な点も多く残されている。一方、今後もさらに増加すると予想される慢性腎臓病(CKD)やその進行に伴う腎不全を回避するための手段を講じていくことは喫緊の課題である。本研究は、糸球体からのアルブミン漏出を端緒として腎不全に進行する過程における分子機構の一端を解明しようとするものであり、その知見はCKDの予防法や治療薬の開発に資するものである。CKD患者はその悪化に伴い血液透析や腎移植に転帰することから、本研究成果はCKD患者のQOL向上に加え、医療経済学的にも波及効果を有するものと考えられる。
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