研究課題/領域番号 |
20K07146
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
古賀 允久 福岡大学, 薬学部, 准教授 (60570801)
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研究分担者 |
山内 淳史 福岡大学, 薬学部, 教授 (90341453)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 心血管イベント / 動脈硬化症 / ナルメフェン / 副作用 / 有害作用 |
研究開始時の研究の概要 |
”harm reduction”の概念が提唱され、従来の治療目的である断酒から「減酒」も有効である方針が日本アルコール・アディクション学会と日本アルコール関連問題学会から示された。そのニーズにあった薬物治療として、飲酒量低減薬ナルメフェンが期待されている。一方で、ナルメフェンは心血管イベントなどの副作用が発現する可能性がある。しかし、この機序に関する基礎的研究は殆どない。そこでナルメフェンの有害作用による動脈硬化症発症・進展の可能性を検証し、この機序を解明することで、ナルメフェンの有害作用の予防・軽減・回避対策の構築、また有用性・安全性のより高い新規治療薬の開発へと連結することを目的とした。
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研究成果の概要 |
本研究は、飲酒量低減薬ナルメフェンの有害作用による動脈硬化症発症・進展の可能性を検証し、その機序を明らかにすることを目的とした。ナルメフェンは、動脈硬化症モデルマウスであるアポリポプロテインE欠損マウスにおいて、動脈硬化巣の形成および動脈硬化巣内のマクロファージの泡沫化を促進させるリスクがあることを明らかにした。また、ナルメフェンがマクロファージにおいてスカベンジャー受容体CD36発現を増加させ、oxidized low-density lipoproteinの細胞内取り込みを促進させることにより、そのマクロファージの泡沫化を促進させることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
飲酒量低減を目的としたナルメフェンによる治療が増加すると予測される中で、有害事象のリスクを検討することは、極めて重要である。 本研究では、動物実験および細胞実験により、飲酒量低減薬ナルメフェンが動脈硬化巣の形成促進・不安定化させるリスクがあることを明らかにした。本成果はナルメフェンの安全性に関する注意喚起を促す実験証拠を提示する点で医療的に意義深い。またナルメフェン有害作用の予測・軽減・回避対策の構築が可能となり、本薬物の安全性と有用性のさらなる向上が期待できる。さらに有害作用の低減化とともに優れた減酒・断酒効果を有する新薬の開発へと繋げることも可能であると考える。
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