研究課題/領域番号 |
20K07149
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
古堅 彩子 北海道大学, 薬学研究院, 助教 (90767261)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 胎盤 / Trophoblast / 抗不安・睡眠薬 / Benzodiazepine / トランスポーター / 分化 / ホルモン / trophoblast / トロホブラスト / 抗不安薬 / 睡眠薬 |
研究開始時の研究の概要 |
胎盤は、物質輸送、ホルモン分泌、分化能等の多彩な機能を有しており、胎児の発育・妊娠の維持に関与する。これらの機能は、胎盤におけるtrophoblast細胞が重要な役割を担っている。一方、妊娠時の薬物治療では、母体および胎児へ及ぼすリスクとベネフィットの両方を考慮する。本研究は、抗不安・睡眠薬の胎盤移行性ならびに寄与因子を明らかにするとともに、胎盤trophoblast機能への影響についても多面的に評価することを目的とする。本研究の進展は、抗不安・睡眠薬の妊娠期における適切な薬物選択およびリスク回避に貢献し得ると考える。
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研究成果の概要 |
本研究では、抗不安・睡眠薬の中でもBenzodiazepine (BZ) 受容体作動薬の胎盤機能に対する影響を評価した。In vitroにおいて、17種類のBZの蓄積性の違いを示し、P-gp機能にBZは影響しないことを明らかにした。また、妊娠期の毒性が知られているvalproic acidを用いて、ホルモン分泌・分化能を指標とした評価の妥当性を検討した。本評価系を用いて、BZは、ホルモン分泌・分化能に影響しないことを示した。さらに、ヒト胎盤の分化関連遺伝子・胎盤ホルモン発現と新生児・胎盤パラメーターの関連を評価し、MFSD2Aと各種パラメーターの間に正の相関があることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、胎盤の多彩な生理機能に着目し、抗不安・睡眠薬の1つであるBenzodiazepine (BZ) 受容体作動薬の影響を包括的かつ多面的に評価した。一般的に、妊娠期の女性を対象とした臨床試験はハードルが高く、胎児へのリスク評価や回避に関わる基礎情報は重要であると考えられる。また、近年、周産期メンタルヘルスケアの重要性が着目されており、精神科系薬剤のリスク評価ならびに薬剤選択に関わる情報構築が望まれる。今後も更なる研究を進めるとともに、新規の睡眠薬に関する検討を行うことで、抗不安・睡眠薬の妊娠期の安全性に関する情報の構築、ならびに児のリスク低減に向けた方策の提案に繋げたい。
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