研究課題/領域番号 |
20K07151
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
菅 幸生 金沢大学, 薬学系, 教授 (00467101)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | DIC / 線溶療法 / 血栓 / 多臓器不全 / 出血症状 / 線溶抑制 / 出血 / 臓器障害 |
研究開始時の研究の概要 |
血栓症の治療は、ワルファリンやヘパリンなどの凝固活性化の制御をターゲットとした薬剤が中心であるが、その治療成績は十分なものではない。血栓症の治療成績を向上させるためには、新規アプローチによる治療戦略を構築する必要がある。そこで、本研究では、血液凝固と表裏一体である線溶(血栓の溶解)機序に着目した。病態の異なる二種類のラット播種性血管内凝固症候群(DIC)モデルを用いた検討により、全身臓器で微小血栓が多発するDIC病態における多発血栓形成の鍵となる線溶機序の意義を明らかとする。さらに、線溶機序をメインターゲットとした新規治療法を検討する。
|
研究成果の概要 |
二種類の動物DICモデルに対し、組織型プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター(PAI)-1阻害薬によるDIC病態の改善効果を検証した。その結果、線溶亢進薬であるtPAは、DIC病態(特に、線溶抑制型DIC)における凝血学的マーカー、臓器障害を有意に改善した。すなわち、線溶抑制型DICでは、通常の抗凝固療法での改善効果が不十分であることが多く、線溶を活性化する薬剤または線溶抑制を解除する薬剤は、有用な新規DIC治療薬となる可能性が示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全身の最小血管内に微小血栓が多発するDICは、病態が複雑であることから、治療に難渋することが多く、救命率が低いことが大きな問題となっている。DICの救命率を向上させるには、血栓症の標準治療である抗凝固療法に加え、新しく有効性の高い治療戦略を確立する必要がある。本研究では、血栓形成に対する生体内防御機構である線溶機序を標的とした新規DIC治療法の有効性を検証した結果、線溶機序は、新たな治療標的となり得る成果が得られた。本研究で得られた知見は、今後の医薬品開発に対する一つの方向性を示す結果であり、社会的意義・学術的意義を有するものと考えられた。
|