研究課題/領域番号 |
20K07181
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
日比 陽子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (70295616)
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研究分担者 |
木村 和哲 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (00423848)
片岡 智哉 千葉科学大学, 薬学部, 准教授 (20737928)
堀田 祐志 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 講師 (90637563)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Neuronal PAS domain 4 / せん妄 / GABA / ストレス / NPAS4 / 脳 / 発現誘導 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ストレス負荷やせん妄リスク薬剤投与など、せん妄要因によるせん妄様行動発現を行動薬理学的手法により解析し、同時にストレス感受性の神経分化関連転写因子NPAS4の発現レベル解析や生化学的および組織学的解析を行い相互の関連性を確認する。また、NPAS4発現低下が脳内炎症反応や認知機能障害に及ぼす影響について、全身性NPAS4遺伝子ヘテロ欠損マウスやアミロイドβ誘発認知機能障害モデルを用いて追究する。さらにNPAS4やその下流を標的とした、せん妄治療薬の候補としてNPAS4を発現誘導する化合物の薬効解析を行う。
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研究実績の概要 |
「せん妄」は急激に認知機能障害や興奮・妄想・幻覚などの統合失調症症状が現れ、患者自身やその家族、治療にあたる医療者にも負担となる。せん妄は、認知症の既往などの脳の脆弱性がリスクでありストレスやベンゾジアゼピン系薬剤が要因の一つと考えられている。一方、転写因子Neuronal PAS domain 4 (NPAS4)はGABA神経の分化・シナプス形成に関わり、抑制と興奮のバランスを取り脳の恒常性維持に働く重要な因子であることが示されている。全身性NPAS4遺伝子欠損 (NPAS4-KO) マウスは多動、不安関連行動の減少、記憶の低下、協調運動や運動学習能力の低下を示し、Npas4-KOマウスの脳各部位においてGABA受容体のmRNAレベルが顕著に低下している。GABAシグナル系はせん妄発症との関わりが深い上、Npas4はストレス負荷によりグルココルチコイド受容体活性化やDNAメチル化亢進を介して発現低下することから、この転写因子がストレス・GABA神経系障害・せん妄発症の関係の鍵であると考えられる。そこで本研究では、Npas4発現低下による精神疾患様行動発現との関わりを解析し、NPAS4およびその下流因子をターゲットとしたせん妄治療薬の開発を目的とする。今年度はNpas4プロモーター活性上昇化合物の中から最もプロモーター活性上昇度が強い化合物について、マウス個体におけるNpas4発現上昇の有無を解析しているほか、主として臨床現場におけるせん妄発症患者の治療背景やベンゾジアゼピン系薬剤など薬剤の使用状況および医療チーム介入後の状況変化について情報を集めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大により、大学・病院・動物飼育施設等への立ち入りが制限されていることも実験遂行の障害となっている。臨床現場におけるせん妄発症の背景と使用薬剤(特にベンゾジアゼピン系薬剤)など発症要因の情報収集を行った。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、ストレス負荷やグルココルチコイド、抗コリン薬、ベンゾジアゼピン系薬剤などせん妄要因によるせん妄様行動発現を行動薬理学的解析により解析し、同時にNPAS4発現レベル解析や下流因子GABA受容体や認知記憶と関連が深いBDNFの発現量も生化学的および組織学的解析を行い相互の関連性を確認する。また脳内炎症や認知機能障害とNPAS4発現変動との関連も、Aβ誘発性認知機能障害モデルや炎症モデルなどを用いて解析する。臨床におけるせん妄発現と使用薬剤の関連の調査も続ける。
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