研究課題/領域番号 |
20K07182
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
村井 ユリ子 東北医科薬科大学, 薬学部, 教授 (70209998)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 医薬品の品質 / 医薬品の安定性 / 化学発光測定法 / 光酸化 / 酸化劣化 / 後発医薬品 / 調剤薬 / 一包化調剤 / 医薬品銘柄 / 極微弱化学発光測定法 / 臨床薬剤学的評価 |
研究開始時の研究の概要 |
医薬品の物理化学的安定性に関する情報の多くは、製薬企業から提供される個々の医薬品の包装状態におけるデータである。一方、調剤を経て患者の手元で保管される調剤薬は、それぞれの患者の処方に合わせ、PTPシートから取り出されて一包化されたり粉砕・混合されたりするが、その安定性情報は非常に限られている。これを解決するため、迅速・簡便で高感度に酸化劣化を検出できる極微弱化学発光(以下CL)測定法により安定性の予測が可能かどうか、従来の安定性試験の結果と比較して明らかにする。一包化された調剤薬を想定し①後発医薬品の銘柄間の安定性の差異、②2種以上の混合系の酸化劣化、さらに③水剤、散剤の混合系などを検討する。
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研究成果の概要 |
調剤を経て患者の手元に渡る調剤薬は、包装シートが除かれ服用回毎に一包化されたり粉砕・混合されたりするが、その安定性情報は非常に限られている。そこで微弱化学発光(CL)測定法の応用を検討した。一包化調剤後の錠剤や散剤は、露光により光酸化に由来すると考えられるCLが増加した。肉眼では変色が認められなくてもCLの増加が認められたことから、CL測定法は光酸化による調剤薬の劣化を鋭敏に評価できる可能性が示唆される。また本研究により露光による錠剤表面の酸化を初めて視覚的に捉えることができた。CL法は臨床現場での調剤薬の新たな安定性評価指標として応用できる可能性があるため、今後さらに検討する価値がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、調剤後の薬剤の変化・変質を検出する手法は、主成分を中心に単独か2~3剤混合系での検討がほとんどだが、CL法は製剤丸ごとの酸化劣化を評価できる。迅速・簡便なCL測定法により調剤薬の安定性情報が得られれば、より安定な調剤薬を患者に届けることができ、変質による健康被害や廃棄、無駄な調剤行為を避けられるなど、この研究成果による医療への波及効果も考えられる。従来安定性データは文字情報中心だが、本法は画像情報を与えるもので、その点も新しい。また、CL発光プロファイルの比較から製剤への異物混入を検出できることが示唆される。医薬品や錠剤タイプの機能性表示食品等の新規評価法や品質管理への展開が期待される。
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