研究課題/領域番号 |
20K07186
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
百 賢二 昭和大学, 薬学部, 准教授 (30645552)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 口腔粘膜炎 / がん / 有害事象 / 副作用 / 院内製剤 / 医薬品開発 / がん化学療法 / 放射線療法 / 化学療法 / 疼痛緩和 |
研究開始時の研究の概要 |
がん化学療法の副作用として生じる口腔粘膜炎は、激しい疼痛を伴い、がん治療を中断せざるを得ないケースも少なくない。本邦においては、口腔粘膜炎の治療薬は存在せず、予防または疼痛緩和のための院内製剤が種々用いられているものの、エビデンスは十分でない。 我々はこれまで、口腔粘膜炎に対し、インドメタシン水溶液をベースとした噴霧製剤を考案し、有用性と安全性について検討を進めてきた。しかしながら、この製剤は、口腔内滞留性が十分でないことなどの課題が存在する。本研究では、申請者らが考案した本邦初の口腔粘膜炎の疼痛緩和のための薬剤を、医歯薬工連携により開発することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では、申請者らが考案した本邦初の口腔粘膜炎の疼痛緩和のための薬剤を、製剤学的な技術を用い、さらに有効性・安全性を高めた新規製剤を開発することを目的としている。 本申請課題において、開始2年目となる2021年度は、インドメタシンを含有する3種類の新規製剤の開発を行った。具体的には、1)口腔内粉末噴霧製剤、2)口腔内貼付製剤、3)口腔用半固形製剤である。種々高分子の配合比率等を調整し、製剤化のための最適化を図った。加えて、これらの製剤の安全性評価を目的としてPhase1ユニットを用いた健常被験者を対象とした臨床試験を行うための体制整備、ドキュメント作成を行った。 具体的な試験デザインとしては、4製剤の単群安全性確認試験とし、日本人健康成人男性6例を対象に、4製剤を使用した場合の口腔粘膜への刺激性(炎症の有無)とインドメタシンの薬物動態(尿中濃度)を確認する。個体間変動を考慮し6名の被験者に対して4製剤それぞれを適応する。投与後5分、10分、15分、20分、30分を目安に試験薬の残存状況を確認し、必要に応じて写真を撮影する。官能性試験として、5種類の評価表を被験者ごとに作成し、評価を行う予定である。 研究開始3年目にあたる次年度には、開発した新規製剤をがん患者に適応し、がん治療の継続と治療成績の向上を目指すことができるか否か評価する予定である。 なお、本製剤は特許取得を考えているため、現時点では成果の外部公表を行っていない。成果の外部発表のタイミングは、本学の知財と相談して決定する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新規製剤を3種類開発(製剤の調製のための最適化、加速度試験等)し、Phase1臨床試験の実施直前まで進捗したため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年5月に認定倫理委員会での審議を経て、7月には臨床試験を実施する。健常被験者において安全性が確認できたのちには2022年度末を目安にがん患者を対象としたパイロット試験を実施する予定である。がん患者においても有効性・安全性が認められた際には特許の取得を考えている。詳細については臨床試験の結果を判断して今後の進め方について検討する。
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