研究課題/領域番号 |
20K07208
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 明治薬科大学 |
研究代表者 |
張 音実 明治薬科大学, 薬学部, 特任研究員 (50573466)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | マイクロバイオーム / アトピー性皮膚炎 / マラセチア / ブドウ球菌 / 黄色ブドウ球菌 |
研究開始時の研究の概要 |
アトピー性皮膚炎患者の皮膚はマイクロバイオームが破綻した状態であることから、患者の正常なマイクロバイオームを自家移植により適正化することで治療を可能とする。難治性患者のみに異常増殖し、かつ正常なマイクロバイオームを破綻させる異常細菌を初めて同定した。本研究では、1) 異常細菌の皮膚炎誘導能とそれを沈静化させる機序、2) マイクロバイオーム自家移植カクテルの作製、3)マウスモデルを用いた自家移植の実証試験、を施行することで難治性アトピー性皮膚炎の実践的な治療法の提案を行う。
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研究成果の概要 |
3次元ケラチノサイトモデルを用いた検討から、マラセチアはアトピー性皮膚炎の増悪にも抑制にも関与する可能性が示された。また新規に分離したDelftia属菌は、健常皮膚の主要構成菌種であるコアグラーゼ陰性ブドウ球菌の増殖を阻害することで黄色ブドウ球菌へのディスバイオーシスを誘導していると考えられた。増悪因子である黄色ブドウ球菌による炎症誘発が真菌Malasseziaにより抑制されることが明らかになった。以上、アトピー性皮膚炎の増悪機序解明と治療に対する新たな視点を提供できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、アトピー性皮膚炎の病態におけるマイクロバイオームの役割を明らかにした。真菌マラセチアと黄色ブドウ球菌の相互作用、新たに同定されたDelftia属菌の影響、マラセチアが炎症を抑制する能力の検証は、皮膚疾患の発症・増悪機序を理解するための基盤となった。さらに、遺伝子欠損株の作製とその評価は、疾患の分子メカニズムの解明に寄与した。
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