研究課題/領域番号 |
20K07221
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小笠原 道生 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (00343088)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 甲状腺 / 内柱 / 脊索動物 / 進化発生 / 遺伝子発現 / 発現制御 / 消化管 / ホヤ / ナメクジウオ / RNA-seq / 進化 / 粘液 / 分泌 |
研究開始時の研究の概要 |
脊椎動物の甲状腺の起源と進化を理解するため、下等脊索動物の内柱(甲状腺の起源とされる器官)に着目し、これらの器官形成と機能分化の分子的背景の比較解析を進める。具体的には、「懸濁物摂食のための粘液タンパク質分泌領域」と「ヨード集積・ペルオキシダーゼ活性を示す甲状腺相同領域」といった内柱の機能領域形成の分子メカニズムの理解を進め、それを異なる動物間で比較することによって、共通性と多様性を明らかにしていく。その上で、脊索動物の形態進化・系統進化・ゲノム進化・分子進化に加え、食性変化における咽頭機能の適応進化を考慮しながら、内柱から甲状腺への矛盾のない進化シナリオを提唱する。
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研究成果の概要 |
下等脊索動物の内柱は脊椎動物の甲状腺と相同だが、甲状腺機能の起源を内柱のヨード集積機能に求めるシナリオには齟齬がある。本研究では、2種の尾索類(ワカレオタマボヤ、カタユウレイボヤ)の甲状腺転写因子(TTF-1/Nkx2-1およびTTF-2/FoxE)の遺伝子機能阻害実験を行い、TTF-1/Nkx2-1依存および非依存の甲状腺関連遺伝子の発現制御機構、TTF-1/Nkx2-1依存の分泌関連遺伝子vWFLの発現制御を明らかにした。その上で、内柱を起点とした適応進化の結果として説明可能な甲状腺進化のシナリオを提唱した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
甲状腺は、我々ヒトを含む脊椎動物において新陳代謝の調節を担っている器官である。本研究で明らかにした「甲状腺転写因子TTF-1/Nkx2-1依存および非依存の遺伝子発現制御機構」と「TTF-1/Nkx2-1による分泌関連遺伝子の発現制御」の知見は、脊索動物門の内柱/甲状腺間で進化的に保守されたシステムの存在を明らかにし、脊椎動物が進化させたシステムを明確に区別するに至ったという意義を持つ。これらの知見は、今後の甲状腺機能の本質的理解や甲状腺機能障害への対応などへの寄与が期待できる。
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