研究課題/領域番号 |
20K07222
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 (2021-2022) 東京大学 (2020) |
研究代表者 |
小川 覚之 獨協医科大学, 医学部, 講師 (40436572)
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研究分担者 |
齊藤 祐子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (60344066)
川島 祐介 公益財団法人かずさDNA研究所, ゲノム事業推進部, ユニット長 (30588124)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症(ALS) / 神経変性疾患 / 死後脳 / プロテオミクス / 溶液中分子動態 / 分子イメージング / ALS / 質量分析 / メタロミクス / MSイメージング / 疾患プロテオミクス / タンパク質病態 / 疾患シグナル |
研究開始時の研究の概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動神経細胞が選択的に障害を受け筋力が低下する神経変性疾患であり、早期発見と治療法開発は社会からの切実な要請である。発症に関連する遺伝子レベルの要因は指摘されているが、発症に至る分子機構は未だ不明である。本研究はALS患者死後脳検体について高分離分画・オミクス解析・細胞生物学をはじめとする手法によりタンパク質機能を喪失するALS病態分子を同定し、ALS疾患分子病態の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症メカニズムを解明するため、ALS患者の死後脳検体について生化学的分離精製と定量プロテオーム解析を適用し、疾患特異的に溶液中動態が変動する分子群を網羅的にプロファイルして疾患依存的な分子群を抽出するものである。既に微量の患者死後脳検体から分子群を分離精製し、プロテオーム解析を実施した。同時に比較健常群や他の神経変性疾患脳のプロファイルも行った。検体数を増やすことにより個人差の影響を抑制し、疾患依存的分子動態の同定に努めている。また、膨大なオミクスデータの群間比較を可能にするソフトウェアの開発も行い、他群間オミクス解析が可能になった。さらに、生化学的な分離精製によるプロファイルだけでは得ることができない組織上での局在情報について、脳検体を用いた質量分析イメージングやX線イメージングを組み合わせることにより、疾患群・健常群の脳組織上での分子マッピングも実施した。研究項目を順調に実施しただけでなく、研究テーマも大きく発展し、分子プロファイル解析と同時に分子イメージング解析を実施する段階まで研究課題が深化した。本研究で取得したデータをまとめており、複数の論文発表が期待できる段階にある。今後はさらに疾患特有の分子挙動に焦点を絞り、疾患依存的分子動態の試験管内再構成、分子構造解析へと繋げる。疾患特有の分子挙動を解明することにより、新規治療標的・疾患マーカーとしての分子動態を解明する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
患者死後脳検体から分子群を分離精製し、プロテオーム解析を実施した。同時に比較健常群や他の神経変性疾患脳のプロファイルも行った。検体数を増やすことにより個人差の影響を抑制し、疾患依存的分子動態の同定に努めている。また、膨大なオミクスデータの群間比較を可能にするソフトウェアの開発も行い、他群間オミクス解析が可能になった。さらに、生化学的な分離精製によるプロファイルだけでは得ることができない組織上での局在情報について、脳検体を用いた質量分析イメージングやX線イメージングを組み合わせることにより、疾患群・健常群の脳組織上での分子マッピングも実施した。研究項目を順調に実施しただけでなく、研究テーマも大きく発展し、分子プロファイル解析と同時に分子イメージング解析を実施する段階まで研究課題が深化した。本研究で取得したデータをまとめており、複数の論文発表が期待できる段階にある。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の主目的であるALS患者死後脳における分子動態のプロファイルについて、既に解析完了までの見通しが立っている。また、研究テーマが大きく発展し、分子プロファイル解析と同時に分子イメージング解析を実施する段階まで研究が深化している。そこで今後は分子動態のプロファイルの解析と脳組織上の分子イメージング解析による統合的研究手法を複数の神経変性疾患に適用し、各疾患群それぞれにおける特有の分子動態・分子局在を明らかにする。さらに疾患特有の分子挙動に焦点を絞り、疾患依存的分子動態の試験管内再構成、分子構造解析へと繋げる。疾患特有の分子挙動を解明することにより、新規治療標的・疾患マーカーとしての分子動態を解明する。
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