研究課題/領域番号 |
20K07232
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
松山 高明 昭和大学, 医学部, 教授 (40349113)
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研究分担者 |
原口 亮 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 准教授 (00393215)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 心臓形態 / 不整脈 / 刺激伝導系 / 心臓性突然死 / 房室弁輪 / 病理組織形態 / 房室接合部 / 副伝導路 / 組織標本 / 心房筋 / 心室筋 / 心臓 / 組織学 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト心臓の房室弁輪では心房―心室間を連続する心筋は房室伝導系の房室結節-His 束-脚のみであるが、それ以外の心房―心室を直接結ぶ副伝導路は異常心筋として、臨床電気生理学的にはケント束と呼ばれる「一般心筋細胞」による伝導路と、マハイム束と呼ばれる房室結節に形態の類似した「特殊心筋細胞」による伝導路があるとされる。この 2 種類の異常心筋束がヒト心臓の房室弁輪にどのように分布しているか、副伝導路症候群の診断のされていない心臓と生前に副伝導路症候群の既往のあった心臓を組織学的に比較して副伝導路となる異常心筋の実態を探索する。
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研究成果の概要 |
ヒト心臓房室弁輪に潜在的に存在する不整脈発生基質を検索するため、生前に顕著な不整脈の既往のない成人ヒト剖検心の両房室弁輪周囲を組織学的に解析した。両房室弁輪には不整脈を惹起させる明らかな異常心筋は見当たらなかったが、全体的にみて右側房室弁輪の方が、左側より心房-心室筋の距離は近接し、心房筋と心室筋の先端がほぼ隣接するようなところも見られた。しかし、心房-心室筋の連続性を示す筋束は見出されることなく、年齢とともにこの2つの心筋間距離は開大傾向がみられた。このような左右房室弁輪の相違は心室筋の肉柱構造の違いや右側房室弁輪に存在する特殊心筋細胞とよばれる小筋束塊の存在に関連するものと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
房室弁輪部分には検索した範囲では房室伝導系以外の心房-心室を電気的に連絡しうる心筋の連続性は見出せなかったが、左右の房室弁輪の構造の違いにより特に右側房室弁輪では心房-心室筋の近接した構造がみられ、それは弁輪周囲の心筋配列の特徴によるものでった。また、年齢的な変化も明らかになり、同部位に発生する不整脈の形態学的な基盤として重要な情報であると思われた。これらの明らかになった解剖学的形態は、今後同部位から発生する不整脈の機序の解明や治療法の開発の一助になる可能性も考えられた。
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