研究課題/領域番号 |
20K07240
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
|
研究機関 | 目白大学 (2023) 筑波大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
増田 知之 目白大学, 保健医療学部, 教授 (70372828)
|
研究分担者 |
文東 美紀 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (00597221)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 神経変性疾患 / DNAメチル化 / 有機ヒ素 / 網羅的遺伝子発現解析 |
研究開始時の研究の概要 |
ジフェニルアルシン酸 (DPAA) は自然界に存在しない有機ヒ素化合物である.DPAAに曝露した住民の脳を調べたところ,海馬が萎縮するとともに脳血流も低下しており,DPAAが長期に亘って脳に留まった結果,神経変性が進行したと推測される.本研究は,DPAAによる脳の神経変性機序を分子レベルで明らかにすることを目的とする.そのために,DPAAに曝露した非ヒト霊長類 (カニクイザル) の海馬を用いて,DNAメチル化に有意な増減のあるサイトを見いだし,DPAAによってもたらされる脳内での遺伝子発現推移の全容に迫る.
|
研究成果の概要 |
自然界に存在しない人工有機ヒ素化合物ジフェニルアルシン酸(DPAA)による健康被害が茨城県神栖市で生じた。本研究は、非ヒト霊長類の脳を用いることで、DPAAのもたらす脳の神経変性機序を分子レベルで明らかにすることを目指した。その結果、ヒトゲノム用DNAメチル化アレイのプローブで、カニクイザル(Macaca fascicularis)ゲノムに適用可能なプローブを確定するとともに、小脳および側頭葉外側部におけるDNAメチル化変動が、他の脳領域と比較してそれぞれ大きく異なるプロフィールを有することを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で確定したヒトゲノム用DNAメチル化アレイのカニクイザル(Macaca fascicularis)ゲノムへの適用可能なプローブの情報は、非ヒト霊長類を実験動物として用いる様々な解析に役立つため、今後広く使用されることが期待できる。また、非ヒト霊長類の脳を十分な例数確保し、長期に亘ってDNAメチル化の推移を調べた研究は世界で類をみないものであり、人工有機ヒ素化合物DPAAのもたらす遺伝子発現のオン・オフについて、多くの示唆を与えるものである。
|