研究課題/領域番号 |
20K07248
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 香川県立保健医療大学 |
研究代表者 |
古山 逹雄 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (20238702)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | リンパ管 / 弁形成 / Foxo1 / ずり応力 / FoxO1 |
研究開始時の研究の概要 |
リンパ管の弁形成過程における転写因子FoxO1の機能を明らかにするため、リンパ管内皮細胞特異的なFoxo1欠損マウスおよび転写活性型Foxo1発現マウスを用いて、リンパ管弁形成の異常の有無を形態学的に検討する。異常の原因を明らかにするため、Foxo1を欠損する、および活性型Foxo1を発現する培養リンパ管内皮細胞を用いて、弁形成過程に必須である弁形成遺伝子の発現調節とFoxo1の関連性を検討する。さらにこの培養細胞を用いて、弁形成を誘導する振動流が弁形成遺伝子を誘導する過程におけるFoxo1の役割を、Foxo1の細胞内局在と振動流のシグナル伝達過程を交えて検討する。
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研究成果の概要 |
リンパ管の弁形成を誘導する初期過程の詳細は十分には理解されていない。我々は弁形成を誘導する振動ずり応力をリンパ管内皮細胞に付加することによりFoxo1の転写活性能と弁形成に必須な遺伝子群の発現誘導との関係を検討し、さらにリンパ管内皮細胞特異的にFoxo1を欠損または活性型Foxo1を発現するマウスを作製して弁形成への影響を検討した。ずり応力はAktキナーゼを活性化しFOXO1を核外移行させ、Foxo1転写活性の低下依存性に弁形成遺伝子群の発現が誘導されることを明らかにした。さらにFoxo1欠損マウスでは弁の数が有意に増加し、活性型マウスでは弁形成が著しく抑制されることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リンパ浮腫の患者数は10万人を超えるといわれており、その原因としてがん治療後の合併症、リンパ管弁の異常があげられるが、原因不明のものも多い。そのため根本的な治療法を開発するためにはリンパ管弁の形成過程を理解することが必須である。本研究によりリンパ管の弁形成の開始時にFOXO1蛋白の転写活性が抑制される必要があることが明らかになった。このことから弁形成異常によって生じるリンパ浮腫に対しては、FOXO1の転写活性を抑制する化合物を用いて新たな弁を誘導することにより治療できる可能性がある。
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