研究課題/領域番号 |
20K07254
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 熊本保健科学大学 |
研究代表者 |
田中 聡 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (10321944)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Ipo13 / 生殖細胞 / 精子形成 / 始原生殖細胞 / マウス / 原始外胚葉 / Importin13 / 初期胚 / 減数分裂 / 核局在 |
研究開始時の研究の概要 |
Importin13(Ipo13)によるカーゴ分子の核-細胞質間の局在の変化がどのようにして減数分裂を制御しているのか、その分子機構の解明を目指し、遺伝子改変マウスの精巣を用いてその機能的なカーゴ分子を同定する。そして、そのカーゴ分子の減数分裂を制御する作用機序を調べることで、Ipo13のカーゴ分子の核-細胞質間の局在の変化による細胞分化の制御機構を明らかにする。
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研究実績の概要 |
核と細胞質間の物質輸送を担うImportin13は、内部細胞塊の細胞が原始外胚葉に分化する段階、始原生殖細胞が形成された後に生殖巣に到達する前の段階、及び減数分裂のパキテン期の生殖細胞において一過的な発現上昇を示す。Ipo13欠損マウス胚は、着床後まもなく胎齢6.5日頃までに致死となった。Ipo13欠損胚盤胞の培養を行ったところ、内部細胞塊由来の細胞が正常に分化しなかった。しかし、その内部細胞塊からは、正常胚と遜色なくEmbryonic Stem cells(ESCs)を樹立することができた。そこで、Ipo13欠損ESCsを用いて胚様体形成による分化誘導実験を行なった結果、Ipo13欠損ESCsからは、内胚葉マーカーであるGata4陽性の内胚葉の細胞が形成されなかった。また、Ipo13欠損ESCsからは、強い自己増殖能を持つ初期の原始外胚葉様細胞が誘導できなかった。ついで、Ipo13のコンディショナルノックアウトマウスを国際共同研究にて作成し、その解析を行い、Ipo13が、内部細胞塊の細胞及び減数分裂過程の精母細胞の分化に必須な役割を担っていることを見い出だしている。特に、始原生殖細胞が生殖巣に到達する前の段階でIpo13の機能欠損を誘導すると、始原生殖細胞が生殖巣に存在していないことを発見した。始原生殖細胞の異所的な局在は観察されないことから、Ipo13の欠損は、始原生殖細胞の移動に影響を与えていないことが明らかとなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Ipo13のコンディショナルノックアウトマウスを用いた解析が、順調に進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
Ipo13のコンディショナルノックアウトマウスを用いた解析を進め、始原生殖細胞の発生、及び減数分裂過程の精母細胞の分化に必須な役割を担っていることを明らかにする。また、Ipo13の機能的カーゴの候補分子であるUbc9のコンディショナルノックアウトマウスの作成を行い、解析を進める。
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