研究課題/領域番号 |
20K07261
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
岸 博子 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40359899)
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研究分担者 |
小林 誠 山口大学, 医学部, 教授(特命) (80225515)
張 影 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (10711260)
森田 知佳 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70763796)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 血管平滑筋 / 異常収縮 / ビメンチン / カルパイン / Rhoキナーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
血管攣縮は、心筋梗塞、脳血管障害などの急性発症で致死的な疾病を引き起こす。研究代表者らは、生体で血管攣縮を引き起こす血管平滑筋異常収縮のシグナル伝達経路として、SPC/Fyn/ROK経路を見出し、更に、Fyn下流の新規血管平滑筋異常収縮シグナル分子の一つとしてビメンチンを同定した。異常収縮刺激時にビメンチンはカルパインによって切断され、更に、血管平滑筋異常収縮がカルパイン阻害薬により抑制される事から、『構造蛋白として知られるビメンチンが、真に、カルパイン活性依存的に血管平滑筋異常収縮のシグナル分子として機能するのか?』という学術的「問い」に至り、これを解明するため本研究を行う。
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研究成果の概要 |
血管平滑筋異常収縮は、狭心症、心筋梗塞、脳血管障害などの急性発症で致死的な疾病を引き起こす。申請者らはこれまでに、血管平滑筋異常収縮に特異的なシグナル伝達経路として、SPC/Fyn/ROK経路を見出した。更に、Fyn下流の新規異常収縮シグナル分子としてビメンチンを同定し、異常収縮刺激時にカルパイン・プロテアーゼによってビメンチンが切断される事を明らかにした。カルパイン・プロテアーゼにより生成される相当の長さのビメンチン断片を強制発現した血管平滑筋細胞ではROKの活性化とミオシン軽鎖リン酸化の増加がみられ、ビメンチン断片が血管平滑筋異常収縮のシグナル伝達を亢進する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血管平滑筋異常収縮は、生体において血管攣縮を引き起こす病的な収縮であり、細胞質カルシウム濃度の上昇を必要としないCa2+非依存性の収縮である。従来、Rhoキナーゼ(ROK)が血管平滑筋異常収縮の重要なシグナル分子として知られるが、ROKの上流のシグナル伝達機構は不明であったため、特効薬が開発されず、血管攣縮は治療抵抗性である。本研究成果は異常収縮刺激時にカルパイン・プロテアーゼにより生成されたビメンチン断片が血管平滑筋異常収縮のシグナル伝達を亢進させる事を示唆しており、新規の血管平滑筋収縮機構の解明や血管攣縮治療薬の開発に繋がるものである。
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