研究課題/領域番号 |
20K07266
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
飯塚 眞喜人 昭和大学, 医学部, 准教授 (40274980)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | Phox2b / 吸啜 / 新生ラット / 脳幹-脊髄摘出標本 / しゃっくり / Phox2B / 脳幹-脊髄摘出標本 |
研究開始時の研究の概要 |
脳幹領域の発生・分化に不可欠な転写因子としてPhox2b遺伝子が知られており、我々はPhox2b陽性ニューロンにチャネルロドプシンを発現させた遺伝子改変ラットを作成した。そして新生ラットの頭部背側から光を照射すると吸啜運動が誘発されることを発見した。さらに脳幹-脊髄摘出標本でも吸啜リズムを誘発できることが分かり、吸啜リズム形成に関与する神経回路網・ニューロン・イオンチャネルの研究が初めて可能になった。この新しい誘発方法、脳幹-脊髄摘出標本、電位感受性色素による光学測定、ホールセル記録と免疫組織化学染色法、in situ hybridization法等を用いて吸啜リズム形成回路の全容を解明する。
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研究成果の概要 |
吸啜は乳児が母親から栄養を得るためのリズム運動であるが、その神経回路網の局在や神経機構は不明である。我々はPhox2b陽性ニューロンにチャネルロドプシンを発現させた遺伝子改変ラットを作成し、頭部背側からの光照射で吸啜運動を誘発できることを発見した。脳幹-脊髄摘出標本でも光照射により横隔神経のリズム活動が誘発されたが、三叉神経や舌下神経と同期したリズム活動であることから、吸啜ではなくしゃっくりであることが分かった。現在、摘出標本にグルタミン酸やNMDAなど様々な薬物を投与し吸啜様リズムの誘発を試みているが、成功していない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
背側領域にあるPhox2b陽性ニューロンの特異的な刺激により誘発されるリズム活動は吸啜であると考え研究を開始したが、その後の解析によりしゃっくりであることが明らかになった。1ヶ月以上持続する難治性吃逆では患者のQOLを著しく低下させる。しゃっくりの神経機構は未だ不明な点が多く、治療は経験則に基づいて行われている。本研究によりしゃっくり中枢の位置を特定できたことは、今後の難治性しゃっくりの治療法の開発に向けて意義のある研究成果である。
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