研究課題/領域番号 |
20K07277
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
小野 克重 大分大学, 医学部, 教授 (40253778)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | potassium / KCNJ2 / kbp / YgaU / 高カリウム血症 / IK1 / 細胞外カリウム / Kbpタンパク / K+チャネル / 電解質 - 転写連関 / Kbp / Kir2.1チャネル / IK1チャネル / 転写 / イオンチャネル / 転写因子 / 電解質 / マグネシウム / カリウム |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト心房筋に発現する遺伝子を検索する過程で、高カリウム血症患者の心房筋の遺伝子発現プロフィールが正常カリウム濃度群患者のそれと異なることを見いだした。この現象は、イオンチャネルは単にゲーティングを介して細胞内外のイオン環境を保つだけでなく、チャネルの数そのものを変化させ、環境の変化に対応している可能性が示唆される。特にK+結合蛋白(Kbp, YgaU他)の関与に注目し、KCNJ2チャネルの転写過程が細胞外K+によって制御されると考えられる。この細胞機能制御現象を我々は、「電解質 - 転写連関」と呼ぶが、この分子機序の解明を実施する。
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研究成果の概要 |
細胞外K+はKCNJ2チャネルの機能的発現を増加することが示された。In Silico 解析によって目的チャネルの転写に関わる可能性のある転写因子と転写補助因子が同定され、luciferase assayで作用を確認した。心筋細胞と異種発現系の両方でイオンチャネル、転写因子、及びカリウム結合蛋白(Kbp, YgaU)の発現が変化するかを電解質異常細胞培養液の元で確認した。これらの結果により、電解質の存在がイオンチャネルタンパクの発現を制御する「電解質-転写連関」という新規細胞制御の概念が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞内電解質、特にK+とCa2+は細胞機能の直接的な制御を担うだけでなく、長期的に細胞機能の制御に関わることが示された。特にK+の作用は細胞内K+濃度を規定するK+チャネルの発現を正に制御するというfeedback機構の形成に関与することを示したものであり画期的な発見である。本実験は心筋細胞と異種発現系の両方でイオンチャネルと転写因子の作用がどのように変化するかを実証したものであり、一般細胞全体の普遍的機能であると考えられる。これらの結果により、電解質の存在がイオンチャネルタンパクの発現を制御する「電解質-転写連関」という新規の細胞制御の概念が証明された。
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