研究課題/領域番号 |
20K07279
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
相馬 義郎 国際医療福祉大学, 薬学部, 教授 (60268183)
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研究分担者 |
内橋 貴之 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (30326300)
古田 忠臣 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (10431834)
中川 大 中部大学, 応用生物学部, 准教授 (40397039)
岩本 真幸 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (40452122)
大崎 寿久 地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所, 人工細胞膜システムグループ, サブリーダー (50533650)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 膜蛋白複合体 / 抗原ー抗体反応 / 分子間相互作用 / 1分子直接観察 / 高速原子間力顕微鏡 / CFTR / 嚢胞線維症 |
研究開始時の研究の概要 |
医学・生理学的に重要な生命プロセスの多くは、チャネルやトランスポータなどの膜蛋白および、それらの集合体である膜蛋白複合体の機能によって支えられおり、これらの動作機構の解明は、医学生理学の大きな進歩に繋がると期待されるが、その詳細なメカニズムはほとんど解っていない。 本研究においては、細胞膜環境プラットフォームを備えた高速原子間力顕微鏡を用いて、生理的環境における膜蛋白の1分子から複合体までのメゾスコピック領域での「ゆらぎ」に注目した分子動態の直接観察とシミュレーションを用いた定量的解析を行ない、膜蛋白1分子および膜蛋白複合体の動作機構の解明をめざす。
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研究成果の概要 |
本研究では、白人種に多い遺伝疾患嚢胞繊維症の原因遺伝子産物であるCFTRチャネルの機能発現および病因性遺伝子変異による発現障害の発生における分子「ゆらぎ」の関与について、高速原子間力顕微鏡(高速AFM)および分子動力学シミュレーション(MD)を用いて調べた。その結果、ゲーティング機能に重要な2つのNBDの大きな「ゆらぎ」の高速AFMによる直接観察に成功した。白人最多の⊿F508変異はNBD1-ICL4接合面に存在するが、NBD1およびICL4に存在する日本人病因性変異も同様に、CFTR分子の「ゆらぎ」に影響を与えて発現障害をおこしている可能性が、MDによって明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
蛋白およびそれらの高次機能複合体の動作機構の解明は、医学生理学の大きな進歩に繋がると期待されるが、その分子レベルでの詳細な動作メカニズムについては、ほとんど解っていない。 研究代表者は、高速原子間力顕微鏡(高速AFM)を用いた蛋白1分子動態直接観察と分子動力学シミュレーションを組み合わせて、研究対象であるCFTRチャネルの機能発現における分子内ドメインのゆらぎの関与および、病因性遺伝子変異によって引き起こされる発現障害における分子ゆらぎの関与についての重要な知見を得た。 これは現在までの組織・細胞レベルでの生理学や巨視的な生化学では得られない、新しい研究成果である。
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