研究課題/領域番号 |
20K07284
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
下村 拓史 生理学研究所, 分子細胞生理研究領域, 助教 (50635464)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | イオンチャネル / 電位依存性 / 非天然アミノ酸 / 電気生理学 / 構造生物学 / 光生理学 / 膜タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、光架橋性非天然アミノ酸(pcUAA)をイオンチャネルに導入し、特定の状態を “狙って”機能・構造解析する手法を開発・実証する。pcUAAは光照射により近傍のアミノ酸残基と非特異的な共有結合を形成することができるので、各種刺激によるチャネルの状態遷移(活性化・脱活性化など)と光照射による架橋とを厳密に制御して組み合わせることで、より特定の状態を指向した解析が可能になる。このpcUAAの利点を既存の機能・構造解析手法と組み合わせることで、イオンチャネルの構造機能連関についての新たな知見を得ることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、光架橋性非天然アミノ酸(pcUAA)をイオンチャネルに導入し、特定の状態を “狙って”解析する手法を開発・実証することを目指した。電位依存性カリウムチャネルであるKv1.2の電位センサードメインのうち、S4ヘリックスにpcUAAを導入した変異体を複数作成し、電流測定と同時に紫外光を照射し、チャネル活性の変化を観察した。いくつかのpcUAA導入体では、S4ヘリックスが静止状態のときにより架橋形成が生じやすいことがわかり、この結果を利用することでチャネルの活性化について新たな知見が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Kv1.2を含む電位依存性イオンチャネルは、われわれの脳や末梢神経における電気信号を生み出す基本単位であり、その分子機能・構造についての理解は生理学的に重要である。本研究の結果、Kv1.2のS4ヘリックスの構造変化についての知見が得られた。構造解析技術の発展にもかかわらず、高分解能のKv1.2の静止状態の構造は明確に得られておらず、電位依存的な活性化メカニズムは完全には理解されていない。pcUAAを利用した本研究の結果は、その活性化メカニズムについての新しい知見を提供するものである。
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