研究課題/領域番号 |
20K07288
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
永井 裕崇 神戸大学, 医学研究科, 助教 (30814587)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ストレス / 前頭前皮質 / 樹状突起 / シナプス / 三次元電顕 / 膨張顕微鏡法 / マウス / 中央代謝系 / うつ病 / 社会ストレス / ミトコンドリア / 神経突起 / 細胞内小器官 / 細胞死 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、社会ストレスによる認知情動変容の組織学的基盤である樹状突起委縮の細胞内メカニズムについて、その実態を超微細組織学的解析により観察し、その機序をマルチオミクス解析により導出し、その検証を細胞種特異的分子操作により行う。特に三次元電顕を用いることにより可能になった細胞内小器官の網羅的解析を活用し、神経細胞の形態変化における細胞内小器官の関与を明らかにする。
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研究成果の概要 |
社会や環境より受ける過度のストレスは前頭前皮質神経細胞の形態的萎縮を組織学的基盤とした認知情動変容を招く。しかし、樹状突起やシナプス構造の萎縮を担う分子細胞生物学的な機序は殆ど不明である。マウスの社会挫折ストレスを用いて神経細胞の樹状突起やシナプスを超解像顕微鏡や三次元電子顕微鏡で可視化することにより、ストレスによる樹状突起やシナプスの構造萎縮にミトコンドリアが関わることを見出した。シナプス分画特異的プロテオミクス解析により中央代謝系に関わる分子の発現変動を見出し、中央代謝系を担う分子の前頭前皮質特異的な発現操作によりストレスによるシナプス構造退縮やうつ様行動が抑制できることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ストレスによる脳機能変化において神経細胞の機能構造変容の重要性は示唆されてきたが、その分子機序には不明な点が多い。本研究は、微細構造観察と定量プロテオミクス解析、脳領域特異的な分子操作を駆使することにより、ストレスによる神経細胞の構造退縮やうつ様行動に、中央代謝系が関わることを見出した。今後は、ストレスによる中央代謝系の変化を担う分子機序を明らかにすることによって、神経伝達物質を標的とする既存の抗うつ薬とは異なる作用機序を有する新たな創薬標的候補の創出に繋がると考えられる。
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