研究課題/領域番号 |
20K07303
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
高橋 富美 産業医科大学, 医学部, 教授 (50274436)
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研究分担者 |
石兼 真 産業医科大学, 医学部, 講師 (40470190)
井川 和宣 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (80401529)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 心筋梗塞 / 線維化 / GSK-3 / 筋線維芽細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまでに、グリコーゲン合成酵素キナーゼ-3(GSK-3)の活性化作用を有する薬物が、心筋の線維化を抑制することを報告しているが、線維化の主体となる筋線維芽細胞へ の影響など、その詳細な機序の解明には至っておらず、臨床応用のために解決すべき課題と なっている。 そこで本研究では、筋線維芽細胞に主眼をあて、GSK-3活性化薬による心臓線維化抑制機序を明らかにし、臨床応用へと発展させるための基盤研究を行う。
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研究成果の概要 |
冷凍焼灼法によって作成した心臓の線維化に対するコキシブ系薬物の抗線維化作用の機序についてin vivoおよび in vitroで検討を行った。その結果、コキシブ系薬物によりTGF-βシグナル下流のSMAD2/3のリン酸化が抑制され、心臓の線維芽細胞の筋線維芽細胞への転換(fibroblast-to-myofibroblast transition)が抑制されていることが示された。これにより、コキシブ系は心臓の線維化を抑制し心機能の改善につなげていることが示唆された。 これらの結果から、コキシブ系薬物には心臓線維化治療薬としての可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国の心筋梗塞の発症率は、高齢化率の上昇に伴って増加傾向にある。心筋梗塞発症後は、早期再灌流療法の確立により死亡率は低下しているが、梗塞心筋の修復性線維化とこれに続く心臓リモデリングによる心機能の低下が問題となっている。心筋リモデリングに伴う線維化のコントロールは、心筋梗塞治療のターゲットとして有望視されているが、現段階では“線維化抑制薬”は開発されていない。本研究成果により、コキシブ系薬物が、心臓の線維化抑制薬として有望である可能性が示唆された。
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