研究課題/領域番号 |
20K07304
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
|
研究機関 | 和歌山県立医科大学 (2021-2022) 生理学研究所 (2020) |
研究代表者 |
陳 以珊 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (40757770)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | イオン選択性 / イオンチャネル病 / イオンチャネル |
研究開始時の研究の概要 |
カリウムチャネルの遺伝子変異による異常なイオン選択性は、過剰なナトリウムイオンとカルシウムイオンの流入による細胞死を引き起こす。このような変異したイオンチャネルによるイオン調節機能の障害は先天性疾患に繋がる。これまでの国内外の研究によって、イオンチャネルの変異による先天性疾患の分子機構が明らかになったが、いまだにこの異常なイオン選択性を持つ変異体を標的とした作用薬はない。本研究の目的は、変異したカリウムチャネルの異常なイオン選択性を是正する新規メカニズムによる作用薬の探索である。我々は、変異体の機能解析を行い、新規作用薬の同定、メカニズムの解明、さらに変異動物を用いた薬物効果の検証を目指す。
|
研究成果の概要 |
GIRKチャネルの遺伝子変異による異常なイオン選択性は過剰なNa+とCa2+流入による細胞死を引き起こす。このイオン調節機能の障害は先天性疾患の原因である。本研究では、GIRK2の病態変異体の解析を行い、異常なイオン選択性のメカニズム及び新規作用薬の同定を行った。その結果、イオン選択性フィルタが変異したG156S変異体では、通常のK+透過路とは別に、Na+やLi+が通過する第二のイオン透過路が新たに形成されたことがわかった。また、第二透過路の特異的阻害薬を探索するための化合物ライブラリーのスクリーニングを行った結果、異常な電流を阻害する新規薬物を見出し、イオン選択性調節への応用が期待される。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、K+チャネルの遺伝子変異による疾患における異常なイオン流入は、イオン選択性フィルタのゆがみ等が原因だと考えられているが、本研究で、チャネルの第二のイオン透過路の存在が明らかになったことから、この第二のイオン透過路を阻害することにより異常なイオン流入を防ぐ新規治療薬の開発につながることが期待される。
|