研究課題/領域番号 |
20K07307
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
目黒 牧子 金沢大学, 疾患モデル総合研究センター, 技術補佐員 (20304222)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | レット症候群 / エピジェネティクス / MeCP2 / LBX1 / 側弯 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまでの研究で,LBX1の下流遺伝子として,P2RX7とGABRB1を同定している。そこで,本研究では,それらがレット症候群における効果的な遺伝子治療のターゲットに成りうるかを次のように検証する。1. LBX1およびP2RX7,GABRB1遺伝子を搭載したアデノ随伴ウイルスベクターを構築し,Mecp2欠損マウスへ導入し,レット症候群の症状緩和を試みる。2. LBX1およびLBX1ターゲット分子(P2RX7,GABRB1)に作用する低分子化合物をMecp2欠損マウスに投与し,レット症候群の症状緩和を試みる。3. レット症候群患者脳におけるLBX1およびLBX1ターゲット遺伝子の発現解析。
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研究成果の概要 |
本研究は,思春期特発性側弯症と強く相関するLBX1遺伝子がレット症候群の原因遺伝子MeCP2のターゲット遺伝子の一つであるか否かを明らかにすると同時に,MeCP2-LBX1転写制御系の下流遺伝子を同定することを目的とした。その結果,ChIPアッセイにより,MeCP2がLBX1遺伝子の上流領域に局在することを確認し,LBX1はMeCP2のターゲット遺伝子の一つであることを明らかにした。さらに,PCR Array を用いてLBX1の下流の遺伝子を探索した結果,P2RX7, GABRB1遺伝子を同定した。いずれの遺伝子も,ミクログリアでシナプスの可塑性に深く関与しており,大変興味深い。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
LBX1は脳で極めて高い発現を示すことより,神経発達において極めて重要な役割を果たしていると考えられている。非常に興味深いことに,側弯症だけでなく,GABA作動性ニューロンの機能障害や呼吸不整はレット症候群患者でも高頻度に見られる症状であることなどから,LBX1が真のMeCP2のターゲットであり,脊柱側弯症を含むレット症候群の主症状に深く関わっていることが強く示唆される。したがって,遺伝子量コントロールが難しいMeCP2の遺伝子治療ではなく,LBX1およびそのターゲット遺伝子に着目した遺伝子治療法の確立が今後のレット症候群の新たな治療法開発へのブレイクスルーとなる可能性を秘めている。
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