研究課題/領域番号 |
20K07316
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 (2021-2022) 関西医科大学 (2020) |
研究代表者 |
三澤 計治 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10525885)
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研究分担者 |
三島 英換 東北大学, 大学病院, 助教 (00706939)
日笠 幸一郎 関西医科大学, 医学部, 教授 (10419583)
大内 基司 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (20409155)
安西 尚彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (70276054)
横関 明男 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (90515719)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 尿酸値 / 痛風 / コホート研究 / 統計検定 / カーネル / 遺伝子フュージョン / 分子進化 / 尿酸トランスポーター / 遺伝率 / 地域差 / まれな変異 / レアバリアント / ながはまコホート / 佐渡PROSTコホート / 全ゲノム関連解析 / 尿酸取り込み実験 / スプライシング |
研究開始時の研究の概要 |
尿酸は痛風の原因物質です。これまでに、ヒトゲノム解析から、ヒトの尿酸値に影響を与える遺伝的変異が突き止められ、そこから尿酸排出・再吸収にかかわるタンパク質が同定されてきました。この研究では、ながはまコホートに参加した人々の全ゲノム配列を解析対象にし、尿酸値に影響を与える遺伝的変異を網羅的に探索します。また、佐渡コホートを用い、validationを行います。この研究で同定される尿酸値関連遺伝子群の新規変異について、生きている細胞を用いた実験系を用い、尿酸値への影響を実験的に検証し、将来の高尿酸血症治療および痛風治療薬開発に役立つことを目指します。
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研究実績の概要 |
本申請課題は、個人が生まれながらに持つ遺伝的な要因と、個人が生活している環境の要因の相互作用を解明し、より効果的な治療法の開発に貢献することを目標としている。そのため、統計的な手法やバイオインフォマティクスの手法を用いて解析する手法の改良を行なっている。 尿酸トランスポーターURAT1は、腎臓で尿酸の再吸収を担当しており、ヒトの尿酸値に重要な影響を与えている。尿酸値に対する遺伝的要因を定量的に評価するためには、URAT1に及ぼす変異の影響を正確に推定しなければならない。URAT1タンパク質の尿酸取り込み量の測定は、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)の卵母細胞を用いて行われる。アフリカツメガエルのゲノム中にはSLC22A12遺伝子が見つかっていない。この研究では、尿酸取り込み量の正確な測定のために、SLC22A12遺伝子がアフリカツメガエルに存在しないことを確認した。 まず、さまざまな生物種から取得したSLC遺伝子族の配列に対し、SLC22A12遺伝子のホモロジーサーチを行った。その結果、SLC22A12遺伝子は、起源の異なる複数の遺伝子の遺伝子フュージョンにより生じたことが示唆された。遺伝子フュージョンとは、複数の遺伝子が融合して新しい遺伝子が生まれ、新たな機能を持つタンパク質が生じる現象である。 SLC22A12遺伝子がアフリカツメガエルで見られない理由は、哺乳類と両生類の祖先が分岐した時点では、まだSLC22A12遺伝子を生み出す遺伝子フュージョンが起こっていなかったためと推定される。この成果から、アフリカツメガエルを用いた尿酸取り込み能力の推定は正確であることが予想される。この研究成果は現在、投稿準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本申請課題で開発された統計解析の手法の論文を投稿準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
最終年は、ゲノムワイド関連解析と統合解析を行う。 ゲノムワイド関連解析: 大規模なゲノムデータセットを用いて、疾患と遺伝子座の関連性を統計的に評価する。その際に、本申請課題で開発された統計解析手法を適用し、新たな疾患関連変異を同定する。 統合解析: 公共データベースで得られる機能予測データなどを用い、疾患関連変異の機能的な解釈を行う。統計解析手法を適用し、遺伝的要因と環境要因の関連性をより詳細に明らかにする。 これらの手法を用いることで、既存の知識にない新たな疾患関連変異を発見し、遺伝的要因と環境要因の関連性を探求する。
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