研究課題/領域番号 |
20K07318
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 公益財団法人佐々木研究所 |
研究代表者 |
中岡 博史 公益財団法人佐々木研究所, 附属研究所, 部長 (70611193)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 子宮内膜 / 癌関連遺伝子 / 体細胞変異 / クローン性増殖 / ゲノム解析 / トランスクリプトーム解析 / がん関連遺伝子 / 子宮内膜症 / 子宮体癌 / 卵巣癌 / がん / 上皮細胞 / 転写制御 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は卵巣子宮内膜症および正常子宮内膜において癌関連遺伝子に体細胞変異が生じていることを世界で初めて報告した。さらに、空間的広がりを持つ子宮内膜組織において、癌関連遺伝子変異を保有する上皮細胞がどのように分布しているかを検討した。その結果、病理学的に異型や悪性所見が観察されないにも関わらず、全く同じ体細胞変異を保有する上皮細胞からなる腺管が広範囲に分布している症例が認められた。本研究では、網羅的遺伝子発現解析およびオープンクロマチン領域解析を行うことで、過剰増殖能を獲得した上皮細胞の分子表現型特性について検討し、子宮内膜を起源とする婦人科疾患の発症機序解明を試みる。
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研究成果の概要 |
正常子宮内膜の上皮細胞において癌関連遺伝子に体細胞変異が高頻度で認められること、同一の変異クローンに由来する上皮細胞が子宮内膜の広範な領域を占有していることが分かった。三次元イメージング解析により、子宮内膜基底層付近に網目状構造が存在することを明らかにした。さらに、網目状構造を共有する腺管が同一祖先細胞クローンに由来することを示し、子宮内膜組織における上皮細胞の空間的増殖メカニズムに基底層付近の網目状構造が関与しうることを実証した。さらに、空間的位置情報を維持した状態で採取した腺管についてDNA・RNA同時解析を行うことができる実験系を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
月経による子宮内膜の組織再生を繰り返す過程において、一見正常な子宮内膜において癌関連遺伝子の体細胞変異を有する上皮細胞が蓄積していくことが分かった。三次元イメージング解析とゲノム解析によって、癌関連遺伝子に変異を有する上皮細胞が空間的に増殖するメカニズムを明らかにした。癌関連遺伝子に体細胞変異を有し、空間的に増殖する上皮細胞の特徴を明らかにするため、網羅的遺伝子発現解析を行った。子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮体癌や卵巣癌といった子宮内膜組織に関連する疾患の発症機序を理解するための重要な知見が得られた。
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