研究課題
基盤研究(C)
Notch系は、様々な細胞の分化制御を行う重要なシステムである。これまでもNotchシグナル阻害薬の開発が試みられてきたが、その多彩な機能ゆえ副作用が大きく、実用化は困難であった。本研究では、申請者が独自に見出したDll4/Notch1に特徴的な結合様式を標的として、新たにDll4/Notch1特異的に作用する小分子化合物を選定し、その効果を検証する。また、新たな結合様式を予測する。こうした研究を通して、Notch/NotchLの結合をアミノ酸残基レベルで理解し、小分子化合物によるNotchシグナルの効果的なin vivo制御法を提案する。
Notchリガンドの結合特性を理解するため、Notchリガンド:Dll4のNotchシグナル誘導機構について、Dll1と比較し、検討した。Dll4はMNNL領域に加えて、DSL領域とそこに隣接する特徴的な2アミノ酸によって、Notch1のEGF12および11領域と直接結合する。Dll1とはMNNLの使用の有無およびDSL隣接アミノ酸の違いにより、結合様式が異なることが明確になった。
Notchシステムは、腫瘍化をはじめ様々な生命現象に寄与するが、すべてのNotch/NotchLの機能を抑制することにより強い副作用が生じ、治療への応用が困難である。本研究では、代表的なNotchLであるDll4の特徴的構造およびその機能に着目し、Dll4の機能を特異的に抑制するための基礎となるNotch1との結合特性を明らかにした。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
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