研究課題/領域番号 |
20K07331
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
近藤 直幸 関西医科大学, 医学部, 講師 (30570840)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | インテグリン / 小胞輸送 / 一分子計測 / LFA1 / inside-out / outside-in / リンパ球 / LFA-1 / Rab8 / Rabin8 / 超解像イメージング / 全反射顕微鏡 / 質量分析 / ウイルス / 細胞外小胞 |
研究開始時の研究の概要 |
インテグリン (ITG) は生体内における細胞の接着・動態を司る.細胞接着面でのITG制御機構は長年謎であった. 申請者は接着面でのリガンド結合の一分子計測に世界で初めて成功し, 一過性のITG-リガンド結合の繰り返しが接着を制御することを見出した.一方, 結合の素早いON/OFFの制御機構は不明であった.本研究ではITGを含有小胞の膜輸送/取込/排出のバランスを統御する制御因子の働きがITG機能を時空間的に制御するという仮説の基に, 新規ITG小胞含有因子の同定と高速撮像手法を用いた動態解析を進め, 接着制御/小胞排出の制御機構の全容解明と, その知識の臨床応用への橋渡しを目指す.
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研究成果の概要 |
免疫関連疾患の原因分子である白血球特異的接着分子インテグリンLFA1の細胞接着に際した接着面への蓄積の機構は不明な点が多かった.本研究ではLFA1蓄積がリガンドICAM1の結合依存的に正の協同性を伴って誘導されることを発見した.この結合依存的なシグナルによりLFA1含有小胞の形成が促進され, LFA1含有小胞にはRab8が共局在し共輸送した. Rab8の欠損によりLFA1の接着面への蓄積とリンパ球のLFA1依存的細胞接着が低下した. またリガンド依存的シグナルによりRab8の活性化因子であるRabin8が細胞面に蓄積し活性化された. 以上から接着に伴う新規LFA1輸送・蓄積モデルを構築した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
白血球による免疫シナプス形成を介した細胞間相互作用や, ホーミングにおける血管内皮細胞に対する白血球の即座の接着において, これまでどのようにしてLFA1が素早く接着面に蓄積し接着を誘導するのかは不明であったが, LFA1-ICAM1結合に誘導される正の協同性を伴うLFA1蓄積経路の存在の解明により, そのLFA1制御メカニズムの一端が明らかになった. また, LFA1輸送におけるRabin8-Rab8経路の関与の解明は新規免疫関連疾患制御薬剤の開発や,インテグリンを含んで排出されるがん転移を担う細胞外小胞やウイルス等の産生・輸送制御法の開発にも繋がることが期待される.
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