研究課題
基盤研究(C)
これまでがん変異タンパク質が多数報告されたが、既存の解析プロトコルではその原理上測定できない分子群が存在し、一例として、Small open reading frameから翻訳される「がんマイクロペプチド」が挙げられる。がん培養細胞にて機能制御を行うマイクロペプチドが実証されたが、臨床検体のマイクロペプチド網羅的測定系は未だ不足している。従って本研究の目的は、臨床検体からの高感度マイクロペプチド分離法、ならびに同定用カスタムイプライン構築である。培養細胞を用いた解析プロトコルの最適化から、膵がんPatient-derived xenograftによる患者特異的マイクロペプチド同定を試みる。
non-coding RNA由来マイクロペプチドのようながん特異的タンパク質由来の抗原は、がん免疫治療の標的として注目されている。本研究では、マイクロペプチド前処理法の確立と、プロテオゲノミクス解析パイプラインによるマイクロペプチド由来がん抗原の同定を目指した。独自の測定システムにより、培養細胞・Patient-derived xenograft組織よりマイクロペプチドを含む10,000種以上のがん抗原が、通常のデータベースサーチ、更にDe novoペプチドシーケンスからそれぞれ同定された。現在、患者個別のプロテオゲノムクスサーチの整備と、免疫原性の高い抗原スクリーニングの準備を進めている。
肺がん、膵がん、転移性大腸がんなどに代表される難治がんは、早期診断が困難であり、診断された時には現行の治療法では治癒しがたい。解析手法の進歩によって、難治がんの分子生物学的知見が集積しつつあるものの、有効な診断・治療法の開発には至っていない。がんワクチン療法は、免疫チェックポイント阻害剤との併用など、複合的がん免疫療法の1つとして大きな期待が寄せられており、本研究提案は、これら難治がんの予後の革新的な改善に貢献できる。愛知県がんセンターで整備されている難治がんPDXライブラリへと解析対象を拡張していくことで、これら難治がんの予後改善への貢献といった発展的成果も期待できる。
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