研究課題/領域番号 |
20K07341
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
早瀬 純也 九州大学, 医学研究院, 助教 (40621686)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 上皮細胞 / 脱極性化 / 再極性化 / apical膜 / 微絨毛 |
研究開始時の研究の概要 |
消化管や腎臓などの上皮細胞は、微絨毛と呼ばれる突起状の構造物を体外環境に接するapical膜に形成し、栄養物や電解質などの吸収を効率よく行う。しかしながら、微絨毛封入体病や急性腎障害では、上皮細胞の微絨毛が消失しその吸収能が著しく低下する。これらの疾患で観察される微絨毛の減弱・消失は、apical膜全体が細胞内に取り込まれることによって引き起こされることが示唆されている。しかしながら、これらの疾患においてどのような機構でapical膜が取り込まれるのかは不明である。本研究では、微絨毛を消失する疾患の原因となるapical膜取り込みメカニズムの解析を行う。
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研究実績の概要 |
本年度は昨年度に引き続き、上皮細胞の脱極性化過程において観察される、apical膜endocytosisの長時間高精細live-cell imagingによる解析、およびその分子メカニズムの詳細な解析を行った。その結果、脱極性化過程は病理モデルが異なったとしても同一細胞であるならば、共通した機構で微絨毛の消失が起こることがわかった。一方で、上皮細胞の種類によって微絨毛の消失メカニズムは異なるようであった。 本年度はさらに、脱極性化した上皮細胞がどのようにして極性を回復するのかについても解析を進め、微絨毛が回復する様子を長時間高精細 live-cell imagingおよびSuperresolution Structured Illumination Microscopy (SR-SIM: 超解像構構造化照明顕微鏡)を用いて形態学的に明らかにすることができた一方で、その分子メカニズムを生化学的にも明らかにすることができた。その結果、微絨毛の回復過程も微絨毛消失過程と同様に、同一細胞の場合は様々な病理モデルでも同一の機構で回復し、細胞の種類が異なる場合は異なるメカニズムで回復することを明らかにした。さらに、上皮細胞の種類によって極性回復メカニズムが違う原因の解明を試みた。その結果、一部の上皮細胞で発現し速やかな極性回復に関わるタンパク質を同定し、さらにそのタンパク質の細胞膜局在制御メカニズムを明らかにできたことから、細胞種による極性回復機構の違いを少なくとも部分的に説明することができたと考えられる。
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