研究課題
基盤研究(C)
ゴルジ体はcis, medial, trans の各槽から構成され、一体化して生化学反応を行う。しかしながら、我々は新規に、trans 膜のみが乖離し、分泌タンパク質などを独自に分解する機能を発見し、これをGOMEDと命名した。GOMEDは、分泌制御や神経細胞の維持などを担っており、その異常により神経変性疾患を惹起した。本研究では、①どのようにしてtrans 膜がcis, medial から乖離しGOMEDを実行するのか? ②この時、ゴルジ体機能はどうなるか?③いかなる細胞でどのような生理的役割を果たしているのか?という問いを解決し、ゴルジ体の新たな機能の実態を明らかにする。
我々はゴルジ体のtrans膜がゴルジ体から乖離し、分泌タンパク質などを分解する細胞機能を発見し、これをGOMEDと命名した。本研究で(1) GOMEDに関わる因子としてWipi3の同定に成功した。そして (2)分泌阻害により細胞質中に散在していたWipi3がゴルジ体のtrans膜に局在化すること、(3)その働きにより、trans膜が湾曲化し隔離膜となることを見出した。さらに、Wipi3神経細胞特異的欠損マウスの解析から、(4)GOMEDの不全により鉄代謝・輸送を担うセルロプラスミンがプルキンエ細胞に蓄積し、鉄も蓄積していること、(5)神経変性疾患を惹起することを明らかにした。
通常のATg5/Atg7を用いるオートファジーではER膜から隔離膜が形成されるが、GOMEDはそれとは異なり、ゴルジ体のトランス膜を用いるなど、隔離膜の由来が異なり、また通常のオートファジーとは異なる分子メカニズムを用いていることが判明した。さらに生体内においても、通常のオートファジーとは異なる生理的機能を持つこと、特に、脳の神経細胞において、鉄蓄積を防いでいるということを明らかとした。
すべて 2023 2022 2021 2020 その他
すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 2件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 10件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 備考 (4件)
順天堂醫事雑誌
巻: 69 号: 1 ページ: 42-49
10.14789/jmj.JMJ22-0040-OA
Dev Cell
巻: in press
Scientific Reports
巻: 12 号: 1 ページ: 22452-22452
10.1038/s41598-022-26430-5
Biochemical and Biophysical Research Communications.
巻: 592 ページ: 74-80
10.1016/j.bbrc.2021.12.111
Human Molecular Genetics
巻: 30 号: 6 ページ: 443-453
10.1093/hmg/ddab057
Nature Communications
巻: 11 号: 1 ページ: 5311-5311
10.1038/s41467-020-18892-w
巻: 11 号: 1 ページ: 1754-1754
10.1038/s41467-020-15577-2
Journal of molecular biology
巻: 432 号: 8 ページ: 2622-2632
10.1016/j.jmb.2020.01.016
Life science alliance
巻: 3 号: 3 ページ: 201900576-201900576
10.26508/lsa.201900576
120006980545
Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters
巻: 30 号: 3 ページ: 126891-126891
10.1016/j.bmcl.2019.126891
https://reins.tmd.ac.jp/html/100007614_ja.html#item_kaknh_bnrui_2
https://orcid.org/0000-0002-4375-1643
https://www.scopus.com/authid/detail.uri?authorId=26432550000
https://publons.com/researcher/3607080/satoko-arakawa