研究課題/領域番号 |
20K07359
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 (2021-2022) 徳島大学 (2020) |
研究代表者 |
谷内 秀輔 旭川医科大学, 医学部, 助教 (80747014)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | PERK / HMGB1 / HMGB2 / 小胞体ストレス / 小胞体ストレス応答 / 敗血症 / リン酸化 |
研究開始時の研究の概要 |
HMGB1はLPS投与などの敗血症モデルで核内から核外に移行し、分泌されることで炎症反応を誘導する。申請者は、現在までに培養細胞で小胞体ストレスセンサーPERKがHMGB1をリン酸化することでLPS投与時のHMGB1分泌を制御する可能性を見出している。本研究は、敗血症の病態でPERKがHMGB1のリン酸化を行う生理的意義を明らかにすることを目的とし、(1)PERKによるHMGB1のリン酸化を介した分泌調節が生体内でも観察されるかを検証すると共に、(2)HMGB1のリン酸化に依存して相互作用が変化する因子を同定し、分泌への影響を調べることでPERKによるHMGB1分泌調節の分子機構を解明する。
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研究成果の概要 |
我々は小胞体ストレスセンサーPERKの新たなリン酸化基質として敗血症の重要な炎症性メディエーターであるHMGB1を同定し、LPS投与したRAW264.7細胞でPERKHMGB1の分泌を制御することを見出している。しかし、生体内でもPERKがHMGB1分泌を制御するか、およびPERKのHMGB1分泌制御機構は不明である。本研究では、LPSを投与したPerk KOマウスでHMGB1血中濃度が野生型と比べて増加することを見出し、PERKが生体内でもHMGB1分泌を制御することを示した。また、HMGB1リン酸化で相互作用が変化するタンパク質を同定し、PERKによるHMGB1分泌の分子機構を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HMGB1は敗血症ショック死において過剰なサイトカインの産生、分泌を促進する「死のメディエーター」として機能する。そのため、HMGB1の分泌機構を解明することは敗血症の病態をより詳しく理解し、新たな治療方法を開発するために重要である。本研究で得られたPERKによるHMGB1のリン酸化を介した分泌制御機構の解明は、新たにPERKが敗血症の治療標的と成り得ることを示した。細胞毒性の低いPERK活性化剤が見つかれば、敗血症の治療戦略に新たな選択肢を提供可能である。
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