研究課題/領域番号 |
20K07365
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 九州保健福祉大学 |
研究代表者 |
木村 博昭 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (70593622)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 免疫プロテアソーム / NASH / LMP7 / 脂肪肝 / 炎症 / LMP2 / 非アルコール性脂肪性肝炎 / マクロファージ / 肝機能 / 脂肪性肝炎 / 脂肪蓄積 |
研究開始時の研究の概要 |
非アルコール性脂肪性肝炎(Non-alcoholic steatohepatitis: NASH)は、アルコール摂取に依存しない脂肪肝から炎症・線維化を伴う病態で、有効な治療方法が確立されていない。肥満において、免疫プロテアソームが脂肪の蓄積や炎症に関わるため、NASH病態にも免疫プロテアソームが関与する可能性がある。本研究では、NASH病態の肝臓組織内各細胞における免疫プロテアソームの発現量と、その欠損や阻害による脂肪蓄積や炎症への効果を検討し、さらに阻害剤によるマウスでの治療効果も検討することよって、NASH病態における免疫プロテアソームの役割を解明し、新たな治療法の開発につなげる。
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研究実績の概要 |
本研究は自己免疫疾患やその他の炎症性疾患において、病態形成に関与する免疫プロテアソームが、メタボリック症候群の肥満や糖代謝に関与する可能性を見出した研究を基に、脂肪蓄積や炎症が観察される非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の病態形成に関与する可能性を考えて計画された。野生型マウスのNASH誘導(メチオニンコリンdeficient高脂肪食餌)により、肝臓における免疫プロテアソームの発現が増強されたことから、我々が維持している免疫プロテアソームサブユニットのLMP7欠損マウスと野生型マウスの病態に差が出るかどうかを検討した。通常、8週間程度のNASH誘導後の病態を比較することから、8週後のAST,ALT、肝臓の組織像を比較したが、顕著な差がみられなかったため、4週間、2週間、1週間とNASH誘導の時間を変えて検討した結果、1週間で差がみられた。しかし、我々が期待した結果とは逆の結果が得られた。組織像での脂肪蓄積などに差はみられなかったが、LMP7欠損によりAST,ALTの数値が明らかに悪化していた。この結果が得られた原因を解明するために、炎症の原因となる肝臓組織内の炎症性マクロファージ量をリアルタイムPCRでEmrの発現を測定することで検討したが、野生型とLMP7欠損で大きな差はなかった。マウス甲状腺の炎症疾患では、免疫プロテアソームサブユニットのLMP2欠損で病態は改善し、LMP7欠損で病態が悪化することがわかっていたので、LMP2欠損マウスを利用して、LMP7欠損マウスと同様に1週間での差を検討したところ、これも期待とは裏腹に、LMP2欠損によりASTの数値が顕著に悪化することがわかった。これらの結果から、NASHの発現に免疫プロテアソームは保護的な役割を担っていることがわかった。
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