研究課題/領域番号 |
20K07366
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
荒川 憲昭 国立医薬品食品衛生研究所, 医薬安全科学部, 主任研究官 (60398394)
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研究分担者 |
花岡 正幸 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (20334899)
斎藤 嘉朗 国立医薬品食品衛生研究所, 医薬安全科学部, 部長 (50215571)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | びまん性肺胞傷害 / DAD / 薬剤性間質性肺炎 / 肺胞上皮細胞 / Stratifin / 間質性肺炎 / バイオマーカー / 血液検査 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らが特定した間質性肺炎患者の新しい血液診断マーカー候補タンパク質の発現メカニズムと生理的意義を明らかにする。本タンパク質は、既存の間質性肺炎マーカーKL-6やSP-Dとは異なり、間質性肺炎の中でも予後の悪い、びまん性肺胞傷害(DAD)の患者の診断に優れた性能を示す。しかし、本タンパク質はこれまで、間質性肺炎との関連性はおろか、血液中の動態についても不明であった。本研究では、肺胞上皮における本タンパク質の発現メカニズムと肺線維芽細胞に対する影響を明らかにすることで、本タンパク質のDADマーカーとしての位置づけを明確化することを目的とする。
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研究実績の概要 |
間質性肺炎の病型の中で、びまん性肺胞傷害(DAD)は特に予後がわるい。我々は、Stratifin(SFN)が、DADの新しい血液診断マーカーとなる可能性を見いだしたが、SFNは肺における役割や機能について未解明な部分が多く、びまん性肺胞傷害との関連性も不明である。そこで本年度は、肺由来の細胞がSFNを発現する可能性があるのかどうか検討するために、種々の培養細胞を用いてSFNの発現解析を行った。SFNタンパク質はウエスタンブロットおよびELISA法にて、遺伝子発現はリアルタイムRT-PCRにより解析した。 気管支上皮由来のHBEC-3KTやNuli-1細胞株、あるいはその初代培養系のHPAEpiC細胞では、細胞内および培養上清中におけるSFN発現量は基礎レベルから高かったが、これらに比べて、II型肺胞上皮由来のA549細胞や肺線維芽細胞の初代培養系NHLFやDHLFでは、SFN発現量は低かった。また、A549やおよび肺線維芽細胞では、血小板由来増殖因子(PDGF)やTGF-β1で刺激を行っても、SFNの発現には変化は見られず、肺の線維化にはSFNは関与していない可能性が示唆された。しかし、A549細胞では、JNJ26854165やNutlin-3、ブレオマイシン、シスプラチンや過酸化水素等の処理により、転写因子p53の活性化が起きるとともに、SFN遺伝子の発現上昇が起き、細胞内よりもむしろ、培養上清中のSFNタンパク質量が著しく上昇した。これらの結果から、DADパターンを呈する間質性肺炎の患者の血中で増加するSFNの産生源の一つは、肺胞上皮である可能性があり、肺胞上皮では損傷を受けた際のp53活性化に伴いSFNが発現上昇し、細胞外(血中)へ放出される可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで肺胞上皮とStratifinの関係は不明な点が多かったが、本解析により、肺胞上皮におけるStratifin発現、細胞外への放出する機序が明らかになりつつある。順調に進行していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
皮膚では、表皮角化細胞が産生した Stratifinが隣接する真皮線維芽細胞に作用し、マトリクスメタロプロテアーゼ(MMP)-1やMMP-3など、種々のMMPsを発現誘導することが知られている。肺線維芽細胞でもStratifinによるMMPs等の発現変動が起きるかどうか検討する。
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