研究課題/領域番号 |
20K07376
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
倉田 美恵 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 講師 (80423440)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 人体病理 / 自己炎症 / 循環器病理 / 自然炎症 / 動脈硬化 / インフラマソーム / 動脈硬化症 |
研究開始時の研究の概要 |
動脈硬化症やうっ血性心不全は高齢化社会において克服すべき大きな課題である。大規模臨床研究でIL-1βが治療標的と考えられるようになったものの、動脈硬化症の病態形成にNLRP3インフラマソームがどのように関与しているのかは明らかではない。インフラマソームが恒常的に活性化しているモデルマウスを作成し健常マウスと病理組織を比較することで動脈硬化症におけるインフラマソームの寄与を明らかにする。NLRP3インフラマソームの寄与が大きいことが明らかとなれば、NLRP3インフラマソームのみを標的とした分子標的治療が有効となり、副作用がない創薬につながる。
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研究成果の概要 |
インフラマソームが恒常的に活性化している疾患の一つであるマックルウェルズ症候群の実在の遺伝子変異を挿入した当教室で作成したモデルマウスを用いて動脈硬化症におけるNLRP3インフラマソームの寄与を明らかにすることを目標とした。脾細胞に対しLPS刺激を行うことで野生型と比して高いIL-1βの放出をきたすこと、また、同様に本教室で作成したNLRP3未発現マウスは同刺激に対し反応が著しく低下していることを確認した。これらのマウスを用いて胎児期から12カ月齢に及ぶまで長期間、多段階的に表現型の推移、血液、組織学的サンプルを得た。長期経過において血行動態と心臓形態がドラマティカルに変化することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心血管疾患、特に動脈硬化症やうっ血性心不全は高齢化社会において克服すべき大きな課題である。これらの疾患の病態には慢性炎症が関与している。炎症抑制、特にIL-1βを抑制することで心血管イベントの二次予防になることが大規模臨床研究で統計学的に明らかになり、IL-1βが治療標的と考えられるようになった。しかしながらIL-1βは多様な免疫応答の要であり阻害による免疫抑制はリンパ増殖性疾患などの原因となりうる。NLRP3インフラマソームの動脈硬化症への寄与が明らかとなれば、NLRP3インフラマソームのみを標的とした分子標的治療が可能となり、副作用のないプレシジョンメディスンが実現する。
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