研究課題/領域番号 |
20K07392
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
|
研究機関 | 島根大学 (2021-2022) 香川大学 (2020) |
研究代表者 |
門田 球一 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (70448356)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 肺癌 / 病理学 / 免疫微小環境 / 進展 / 腫瘍免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
Tumor spread through air spaces (STAS) は肺癌細胞の進展形式として申請者らが提唱した。STASは予後不良因子となるが、生物学的メカニズムは解明されていない。癌細胞の増殖や浸潤は、腫瘍免疫微小環境を介しても制御され、申請者らは制御性Tリンパ球浸潤や腫瘍関連マクロファージの増加が、癌細胞の悪性度と相関することを解明した。STASの発生が腫瘍免疫微小環境により制御されている可能性に着目している。 本研究では肺癌を対象に腫瘍浸潤リンパ球と腫瘍関連マクロファージを定量的に評価し、STAS発生の生物学的メカニズムを腫瘍免疫微小環境の観点から明らかにする。
|
研究成果の概要 |
肺癌細胞が腫瘍辺縁を超える肺胞腔に進展する所見をTumor spread through air spaces (STAS) として提唱した。STAS発生機構の解明に繋がる研究成果も報告した。まず、上皮間葉転換誘導で癌細胞が非上皮型を示す場合にSTASの頻度が上昇することを明らかにした。次に、腫瘍関連マクロファージがSTAS頻度と正の相関関係を示し、単球/マクロファージ系の免疫応答がSTASを促進する可能性を報告した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺実質は肺胞内に含気腔が存在し、消化器系のように層構造が存在しないため、基底膜の破壊や深達度に基づく浸潤性の評価が困難である。よって、肺癌細胞の浸潤増殖パターンにより悪性度を評価することが重要である。我々は肺癌細胞が腫瘍辺縁を超える肺胞腔に進展する所見をTumor spread through air spaces (STAS) として提唱し、STASはWHO分類第4版で肺癌細胞の進展形式の1つとして記載された。STAS発生機構の解明に繋がる研究成果として、上皮間葉転換誘導や腫瘍関連マクロファージがSTASの発生に関連する可能性を報告し、癌細胞の進展を制御する研究への糸口となった。
|