研究課題/領域番号 |
20K07396
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
百瀬 修二 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70360344)
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研究分担者 |
森 隆 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60239605)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Burkitt / MYC / BCL2 / HGBL / DLBCL / lymphoma / 高悪性度B細胞リンパ腫 / リンパ腫 / 診断法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、2017年の改訂WHO分類で新たに設定されたリンパ腫の中でもっとも悪性度の高い疾患単位である高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL: High grade B-cell lymphoma)の診断法の確立にある。HGBLは定義上、FISHなどによってMYC, BCL2, BCL6の転座の有無を調べない限り診断が確定しないが、全例にFISHを行うことは不可能である。そこで遺伝子発現を元に、FISHに頼らず日常の診断業務でも応用可能な免疫組織学的にHGBLを抽出する方法を確立することにある。
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研究実績の概要 |
本研究では、蛍光 in situ hybridization(FISH)法を必要とする高悪性度B細胞リンパ腫の診断の代替法として、免疫組織化学にてその代替法を確立することを目的とする。その際のカギとなる複数の分子の機能解析も併せて行うものである。 まず、令和4年度では、Key molecule と考えている分子Aの臨床病理学的意義を中心に解析を行った。分子Aの発現は細胞質、核のいずれか両方に局在していることが分かった。いずれのパターンも陽性とした場合のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(Diffuse large B-cell lymphoma; DLBCL)308例における染色結果は次の通りとなった。なお、陽性率のカットオフ値は50%とした。DLBCL全体では65/308(21%)で陽性であった。またDLBCLの細胞起源(Cell of origin; COO)で分けた場合、胚中心B細胞由来であるGCB-DLBCLでは43/148(29%)であった。一方でもう一つの亜型である活性化B細胞由来であるABC-DLBCLでは22/160(14%)で、GCB-DLBCLで有意に多いことがわかった。さらにこの分子の発現と予後との関係を調べた際、分子Aの発現はGCB-DLBCLでは陰性群に比べて予後不良因子であった(p=0.0023)。一方でABC-DLBCLでは陽性群と陰性群で予後に対する影響は統計学的に有意な結果は得られなかった(p=0.4484)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナによる試薬の調達が遅延したため
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今後の研究の推進方策 |
DLBCLにおける分子Aの発現とあらたなHGBLの病理学的診断方法を試みる。 分子Aととともに、複数の分子のDLBCLにおける機能解析のために、DLBCL細胞株においてそれらの分子の欠失や高発現系細胞株を樹立し、機能解析を試みる予定である。
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