研究課題/領域番号 |
20K07397
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
松本 俊英 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (10623184)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 卵巣明細胞癌 / プロテオミクス / EBP50 / PARP1 / 抗癌剤耐性 / 新規バイオマーカー / ショットガンプロテオミクス |
研究開始時の研究の概要 |
卵巣明細胞癌(OCCCa)は抗癌剤療法に低感受性で進行・再発癌の患者予後は極めて不良である。研究代表者は網羅的タンパク質発現解析により、再発OCCCa例ではEBP50が高発現することを見出した。その後の先行研究結果を集約して、「OCCCaにおいて、EBP50はPI3K/Aktシグナルにより核内へ移行し、PARP-1と協調してDNA修復とアポトーシス回避を促進する。その結果、腫瘍再発・抗癌剤耐性能獲得に寄与する。故に、OCCCaにおけるEBP50をターゲットにした新規分子標的治療法開発の分子基盤構築に繋がる」との作業仮説の立案に至った。本研究はこの仮説を立証し、OCCCa患者の予後改善を目指す。
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研究実績の概要 |
2022年度はEBP50(Ezrin-radixin-moesin-binding phosphoprotein-50)とPARP1の結合証明及び機能解析に着手した。 前年度の免疫沈降法とショットガンプロテオミクス法を組み合わせた実験結果より、EBP50とDNA修復酵素であるPARP1分子が結合する可能性が示唆された。改めてEBP50細胞質発現を示す卵巣明細胞癌細胞株OVISEで免疫沈降及びWestern blot法により解析したところ、両者の結合を示すバンドが得られた。また、GSTタグ融合タンパク質を作製し、Pull-down assayを実施したところ、EBP50のPDZ1ドメインがPARP1と結合部位であることが明らかとなった。さらに、病理検体を用いた蛍光二重染色においても同様の結果が得られた。 次にOVISE細胞を用いて、抗癌剤(CDDP及びPTX)処理後にタンパク質を細胞局在毎に分画しWestern blotを行ったところ、EBP50は抗癌剤刺激により核内へ移行することが明らかとなった。 また、EBP50がPARP1と結合する意義について検討したところ、EBP50ノックダウン系細胞においては、clearved PARP1の増加及びDNA修復能が低下することが分かった。以上より、EBP50はPARPのタンパク質発現安定化及び活性化維持に関与していることが示唆された。 次年度は、臨床検体を用いた証明と予後への影響について解析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
EBP50の結合パートナーとしてPARP1の同定に成功したが、その機能解析について実験手法の検討及びその解釈に時間を要してしまった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度、EBP50とPARP1の結合についてin vitroに証明することができた。次年度は、臨床検体を用いた発現意義、臨床病理学的因子への関与、予後への影響について解析する。
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