研究課題/領域番号 |
20K07402
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田中 敏 北海道大学, 医学研究院, 特任准教授 (30374250)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | タイト結合 / オクルディン / ジスルフィド結合 / redox / thioredoxin / occludin / シグナル伝達 |
研究開始時の研究の概要 |
タイト結合膜蛋白のジスルフィド結合に着目し、周囲酸化還元環境と蛋白安定性、細胞内分布の変化や細胞増殖性の関連を追及する。そのために、タイト結合膜蛋白とタグ(FLAGやGFP)を融合させた蛋白発現ベクター(野生型、Cys変異型)を培養細胞に発現させ、発現蛋白のジスルフィド結合の位置の確認、細胞内の蛋白動態、蛋白二次修飾や細胞増殖性を測定する。周囲酸化還元環境による蛋白動態や細胞増殖の変化も測定する。それらに関与するthioredoxin family蛋白の検出も目指す。
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研究成果の概要 |
細胞間接着装置タイト結合を構成する蛋白、オクルディンのジスルフィド結合は細胞外ループ部分と膜貫通部分に存在し、細胞内部分にはないことを確認した。ジスルフィド結合を変化させると塩化コバルト処理などのストレスによりオクルディンの安定性が変化し、それらはオクルディンのユビキチン化により調節されていた。ジスルフィド結合を変化させても細胞内の分布には大きな違いは見られなかった。オクルディンをノックアウトさせた細胞株はわずかに増殖性が高まった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タイト結合は細胞間接着装置のうち最も外界に接して存在しており、周囲の酸化還元環境に影響されている。今回の研究ではオクルディンのジスルフィド結合を介した酸化還元とタイト結合機能変化やユビキチン化の関与を示している。このような報告は他に類を見ないものであるとともに、これらのメカニズムの解明により、皮膚や腸管、血管などのバリア機能の調節や破綻による疾患の理解、治療戦略の解明が進む。また、癌と酸化ストレスは深い関係にあり、発癌メカニズムの理解や癌進行のメカニズム解明だけでなく、癌治療への応用が期待できる。
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