研究課題/領域番号 |
20K07411
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
宮川ー林野 文 (宮川 文 / 林野文) 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90432385)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 胆管消失症候群 / 肝免疫反応 / S1P2受容体 / 毛細胆管 / S1PR2受容体 / STK17A |
研究開始時の研究の概要 |
移植後の肝臓の免疫反応は肝内の小葉間胆管上皮へのリンパ球浸潤、上皮の破壊・消失と定義されているが、類洞側から侵入した免疫細胞が肝細胞頂端側の胆管の破壊にどう結びつくのか不明である。我々はセリンスレオニンキナーゼSTK17Aが肝細胞の頂端側に局在し、肝移植後の慢性拒絶として小葉間胆管が消失する前に毛細胆管レベルでSTK17Aの消失があり、胆管の形態変化につながることを示した。本研究では、STK17Aがかかわると考えられる胆管形成のシグナル系と、胆汁酸ないし免疫細胞を介した肝細胞のS1P2受容体のシグナル伝達経路の相互関係に着目することで肝細胞における免疫反応と毛細胆管破壊との関係を明らかにする。
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研究成果の概要 |
胆管消失症候群VDBSは免疫反応により胆管が消失する現象で進行例では肝不全に至る。我々はVBDSとして顕性化する前から毛細胆管レベルですでにキナーゼの減少が生じ小葉間胆管の消失が続くことを示してきた。本研究ではS1P2受容体に着目し免疫細胞と毛細胆管の構造変化からVBDSの病態解明を試みた。肝細胞の3次元培養により毛細胆管を形成させ阻害剤を用いて毛細胆管やS1P2受容体下流分子の変化を観察した。VBDS患者肝臓ではマクロファージのS1P2受容体発現は亢進しその阻害によりマクロファージ活性は低下した。マクロファージと肝細胞のS1P2受容体間の伝達から毛細胆管の拡張破壊を誘発する可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
免疫反応により肝内胆管が消失する現象は胆管消失症候群と総称され、造血幹細胞移植後の移植片対宿主病や肝移植後の慢性拒絶反応、薬剤性など原因は様々である。不可逆で進行すると肝不全に至るため、より早期に発見し、早期の治療介入が望まれる。本研究では、胆汁酸をリガンドとするS1P2受容体に着目し、肝内に浸潤するマクロファージと毛細胆管の構造変化からS1P2受容体を介してのVBDSの病態解明を試みた。
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