研究課題/領域番号 |
20K07427
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 城西国際大学 |
研究代表者 |
新倉 雄一 城西国際大学, 薬学部, 准教授 (10615107)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Stra8 / 卵新生 / 卵巣老化 / 不妊症 / 再生 / 卵巣 / 生殖細胞 / 転写因子 / 老化 / 女性医療 / 幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
卵巣は女性に美と健康をもたらす器官ですが、その機能を司る卵胞は加齢によって消失します。新たに卵胞を形成することで卵巣の機能を維持したり、若返らせたりすることが理論上可能です。しかし、その具体的な方法はまだ確立されていません。この研究は、卵胞形成になくてはならないStra8という分子の働きを人為的に制御する方法を確立し、この分子を標的とする治療によって卵巣の機能再生と老化現象の抑制が可能となるのかを検証します。この研究が成功すれば、卵巣を若い状態に保つことで、健康的に年をとることを可能にし、また妊娠とキャリアの両立といった社会で活躍する女性の生き方に新たな選択肢をもたらすことが期待されます。
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研究成果の概要 |
本研究では、卵子形成に関与する転写因子Stra8に注目し、その機能制御と卵巣老化のメカニズムを解明を目指した。具体的には、Stra8と結合するタンパク質を網羅的に同定し、特に加齢によって発現が変動するものを見つけることを目指した。従来の免疫沈降法ではタンパク質の乖離が問題となるため、近位依存性ビオチン標識法を採用した。生細胞でのビオチン標識には成功したが、ストレプトアビジンビーズを用いたアフィニティ精製の溶出条件を確立できず、目的タンパク質の同定には至らなかった。しかし、生細胞でのビオチン標識の成功は重要な進展であり、溶出条件の課題を克服し、Stra8と相互作用するタンパク質の同定を目指す。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Stra8は卵子形成に必須な転写因子で、その活性を制御する化合物は不妊症治療薬の可能性がある。今回、Stra8に結合するタンパク質群を網羅的にビオチン標識することに成功した。これらのタンパク質には、卵新生のON/OFFを制御し、卵巣恒常性の維持に関わる分子が含まれていると推測される。現在、卵新生は、分子機序は不明でエビデンスが少なく、懐疑的に見られている。Stra8制御分子の同定は、卵新生の分子機序を解明するだけでなく、卵巣老化との関係を紐解き、加齢による妊娠力の低下を説明することに貢献する。本研究成果は未完成でありながら、分子機序解明につながる大きな一歩である。
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