研究課題/領域番号 |
20K07429
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
デベガ スサーナ 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (30623590)
|
研究分担者 |
岡田 保典 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (00115221)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 神経膠腫 / 細胞外マトリックス / フィビュリン-7 / 組織内微小環境 / 神経膠腫(グリオーマ) / Fibulin-7 / ECM微小環境(ニッチ) / 細胞浸潤 / HYBID |
研究開始時の研究の概要 |
神経膠腫の浸潤には細胞外マトリックス(ECM)の改変が必須である。本研究では、神経膠腫組織でのFibulin-7とヒアルロン酸分解酵素HYBIDの発現局在を詳細に検討するとともに、脳ECM基本構成分であるヒアルロン酸―レクチカン―テネイシンR格子構造に対するFibulin7の干渉作用、HYBIDによる格子構造破壊、これに伴う神経膠腫細胞の運動・浸潤能亢進作用を証明し、神経膠腫細胞浸潤における浸潤先端ECM微小環境改変の役割を解析する。
|
研究実績の概要 |
神経膠腫(グリオーマ)は、強い浸潤能と過剰な血管新生を伴う頻度の高い原発性脳悪性腫瘍であり、神経膠腫細胞浸潤には細胞外マトリックス(Extracellular matrix = ECM)の改変が必須である。本研究では、特異なECM分子であるFibulin-7(Fbln7)とヒアルロン酸分解酵素であるHYBID(Hyaluronan binding protein involved in hyaluronan depolymerization)の神経膠腫組織での発現と神経膠腫細胞浸潤における役割の解明を目的としている。ヒト神経膠腫組織の免疫染色の結果、Fbln7は膠芽腫や退形成性星細胞種の腫瘍細胞の一部で発現しており、特に浸潤先端部の腫瘍細胞がしばしば強く発現し、Fbln7の発現は膠芽腫細胞株においても確認された。膠芽腫細胞株を用いたスクラッチアッセイでは、Fbln7上での細胞移動能促進が証明された。Fbln7上での培養では膠芽腫細胞株はより紡錘形の形態を示し、F-actin、vinculin、 FAKに対する抗体を用いた蛍光抗体法ではfocal adhesion形成など運動能亢進に対応する所見が得られた。これらのデータから、Fbln7は膠芽腫細胞の浸潤促進作用を有する可能性が示唆された。一方、HYBIDは主として神経膠腫浸潤先端部の細胞に局在することが明らかとなり、HYBIDとグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)に対する抗体を用いた二重蛍光抗体法により、HYBIDは主としてアストロサイトで発現することが証明された。また、HYBID発現は正常アストロサイト(NHA;Lonza社)でも陽性を示した。今後、アストロサイトによるHYBID発現調節機構や神経膠腫でのヒアルロン酸分解作用の証明が必要と考えられる。
|