研究課題/領域番号 |
20K07434
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
萩山 満 近畿大学, 医学部, 講師 (60632718)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 上皮変性・アポトーシス / 慢性腎臓病 / 接着分子 / 細胞外切断 / 尿細管間質病変 / 上皮変性 / 細胞外断片 / ELISA / 酵素的切断 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性腎臓病では尿細管上皮変性・炎症細胞浸潤・間質線維化より成る尿細管間質病変が生じ、その重篤化が不可逆的な腎機能障害を導くと認識されているが、本病態の分子機序解明は十分ではない。慢性腎臓病では尿細管上皮のIgCAM型接着分子CADM1(cell adhesion molecule 1)の細胞外切断が亢進し、上皮アポトーシスを誘導する。本研究では、皮質間質中に放出された切断産物が、マスト細胞や細胞障害性Tリンパ球を活性化し、炎症・線維化を惹起する責任因子となると考え、CADM1の細胞外切断が慢性腎臓病における尿細管間質病変形成に関与することを明らかにする。
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研究成果の概要 |
慢性腎臓病では尿細管間質病変の重篤度が残腎機能を規定するが、腎生検以外にその重篤度を知るのは難しい。慢性腎臓病では尿細管上皮のIgCAM型接着分子cell adhesion molecule 1(CADM1)の細胞外切断(shedding)が亢進しており、上皮アポトーシスを誘導する。shedding産物である細胞外断片NTFに注目し、尿中CADM1濃度を測定するサンドイッチELISAを樹立した。尿細管間質病変の重篤度と糸球体濾過率とは、尿中NTF濃度が高ければ高い程、非常に強く逆相関した。従って、尿中CADM1濃度が高い時は糸球体濾過率から尿細管傷害の重篤度を推測できると判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性腎臓病では尿細管間質病変の重篤度が残腎機能を規定する。近年、新規尿中バイオマーカーが確立されているが、尿細管間質障害の全体を反映しているとは言い難く、腎生検以外にその重篤度を知るのは難しい。国内で1300万人を超える慢性腎臓病患者の治療においては尿細管間質の慢性炎症とそれに続く線維化を制御する必要性が重要視されているが、国内外の多くの研究にもかかわらず、病態の分子機序、特に慢性炎症の引き金となる上位分子は確定していない。本研究は接着分子結合を介した特異性の高い慢性炎症誘導モデルを提唱しており、極めて独創的かつ重要な課題と認識される。
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