研究課題/領域番号 |
20K07438
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
中島 弘幸 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 准教授 (10574064)
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研究分担者 |
木下 学 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 教授 (70531391)
中島 正裕 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 助教 (70738103)
関 修司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 教授 (80531392)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | LXR / Kupffer細胞 / 非アルコール性脂肪性肝炎 / 自然免疫 / Desmosterol / NKT細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
代謝臓器である肝臓は、独特な免疫機構を構築している免疫臓器でもある。代謝と免疫は表裏一体の関係を保ちながら機能している。特にコレステロールは重要であり、余剰コレステロールを検知するLiver X receptor (LXR)が存在し免疫機能の調節を行っている。LXRを刺激すると炎症抑制の効果があり、新たに開発されたLXR刺激物質「SH42」はLXRを効果的に刺激して、炎症を抑制する。さらにKupffer細胞の増殖を促進させる作用があることから、この細胞の分化誘導過程や生理的機能解明に有用である。Kupffer細胞の抗細菌防御免疫、抗腫瘍免疫に果たす役割を解明してゆきたい。
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研究成果の概要 |
新規LXR刺激物質、SH42は中間代謝物デスモステロールを介してLXR刺激作用があるため、免疫抑制作用が期待される。このメカニズムを利用し非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)モデルマウスの病態抑制効果を検証した。SH42投与群では肝Kupffer細胞や炎症性モノサイトの機能を抑制し、病態を著しく改善した。この成果は令和05年度にEMBO Molecular Medicine誌に掲載された(https://doi.org/10.15252/emmm.202216845)。また、実験方法は研究期間中に肝臓や腎臓の免疫機能に関する研究に応用され、成果を様々な分野の医学雑誌に掲載した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は現在罹患率が上昇している疾患であり、様々な治療法が模索されている。余剰コレステロールを検知するレセプターLXRを刺激して、炎症反応を抑制することが期待されている。しかしながら、同時に脂質生成を亢進させるなどの副作用を伴うことが多く、実際の治療に生かすことが出来なかった。 新規LXR刺激物質SH42は脂質代謝に影響を与えることなくLXRを刺激することが可能であり、脂肪沈着と炎症反応の両者を抑制し病態を改善した。今回の研究はオランダ王国ライデン大学医療センターのチームと共に研究を行い、その成果を公開した。NASHの治療に新たな展望を見出すことが出来た。
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