研究課題/領域番号 |
20K07450
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
加藤 琢哉 北里大学, 医学部, 講師 (00551970)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 膵癌 / CAF |
研究開始時の研究の概要 |
癌の進展は癌細胞とそれを取り巻く非癌細胞との複雑な相互作用によって規定される。非癌細胞の中でも、癌関連線維芽細胞(CAF)は癌促進的な役割を果たすものと考えられてきた。近年膵癌においては癌抑制的に機能するCAFが存在することが示唆されている。しかし、癌細胞がいかにその影響を回避して増殖するか、その機序は未だ不明である。そこで、本研究では抑制性CAF存在下で効率よく増殖する癌細胞を選別して遺伝子発現変化を検討することで、抑制性CAFの影響を回避する分子機構を解明することを目標とする。本研究の進展により癌抑制性CAF抵抗性の癌細胞を標的とした新規治療法の開発につながると考えている。
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研究成果の概要 |
本研究では抑制性CAF存在下で効率よく増殖する癌細胞を選別し遺伝子発現変化を検討して抑制性CAFの影響を回避する機構の解明を目的とした。 膵癌細胞株Panc-1、Capan-2、MIAPaCa-2と、PSCおよび癌細胞増殖を抑制するMeflinを発現させたPSCとの三次元共培養系にて、それぞれの膵癌細胞の増殖PSCまたはPSC-Meflinに異なる反応を観察したことから、抑制性CAFの腫瘍増殖抑制能に対する感受性が細胞株ごとに異なることを見出した。MIAPaCa-2とPSC-Meflinの繰り返し共培養ではMIAPaCa-2の亜群に抑制性CAFを自身の増殖に利用するものが存在することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
間質成分の豊富な膵癌の治療には間質を標的とした治療が効果的と考えられるが、現在まで大きな成果を上げていない。その原因の一つが間質の構成成分である癌関連線維芽細胞(CAF)の多様性にあると考えられている。癌促進的なCAFだけでなく抑制的なCAFも混在していることで、単純に間質を標的として阻害することで治療効果を得ることを困難としている。癌抑制的なCAFについて得られている知識は限られており、その拡大が今後の膵癌治療に重要な進展をもたらすものと考えている。今回我々が確立した抑制性CAFの機能を解析する実験系は現在までに他に報告のない系であることから、今後の抑制性CAF研究に資するものと考えている。
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