研究課題/領域番号 |
20K07451
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
菅間 博 杏林大学, 医学部, 特任教授 (10195191)
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研究分担者 |
平野 浩一 杏林大学, 医学部, 教授 (30189849)
矢澤 卓也 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50251054)
中里 陽子 杏林大学, 医学部, 助教 (60424115)
石井 順 獨協医科大学, 医学部, 助教 (80749599)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 甲状腺濾胞 / ヨ ウ 素輸送蛋白 / SLC26 A4 / Isidrin / SLC26A4 / Pendrin / 腺腫様甲状腺腫 / ヨ ウ 素貯蔵調節 / 甲状腺 / SLC26A7 / 結節性甲状腺腫 |
研究開始時の研究の概要 |
甲状腺濾胞内にヨウ素を輸送、貯蔵するトランスポーターとして、SLC26A4(Pendrin)が知られていた。2019年に我々は、SLC26A7がPendrinを補完するヨウ素トランスポーターであることを明らかにした。本研究は、SLC26A7とPendrinの転写調節機構を明らかにするともに、両分子の甲状腺濾胞における発現の違いとヨウ素貯蔵における役割の違いを免疫組織化学的に明らかにする。さらに、ヨウ素過剰地域における結節性甲状腺腫の発病機序にSLC26A7とPendrinが関与しているか否かを病理組織標本を用いて明らかにする。
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研究成果の概要 |
SLC26A7(Isidrin)とPendrinのオーソログ解析の結果、魚類の種分枝過程でIsidrinはPendrinから分かれたと考えられた。プロモーター解析の結果、IsidrinはCRE配列がみられ、cAMP経路で発現調整されると考えられた。 特異的な抗体を作成し免疫組織学的に検討した。バセドウ病の活動性濾胞でのIsidrinの先端膜発現は、高濃度サイログロブリンを含む濾胞で低下していた。結節性甲状腺腫のSanderson's pollsterでのIsidrinの発現が亢進している症例があり、Isidrinによるヨウ素貯蔵の調節異常が発病機序に関わっている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Isidrinは2019年に我々がPendrinの機能を補完する新たな甲状腺のヨウ素トランスポーターである。今回、PendrinとIsidrinの分子系統的な違い、およびヨウ素トランスポーターが2種類ある理由をはじめて示した。Isidrinは、ヨウ素貯蔵が必要な環境で生物が生息するためにPendrinから分かれたこと、そしてIsidrinの発現はホルモンの機能調節機構(cAMP)の影響を強く受けることも明らかにした。新たにIsidrin特異的な抗体を作成し、実臨床検体の濾胞局所でのIsidrinとPendrinの発現様式の違いを明らかにし、結節性甲状腺腫の発病機序につながると考えた。
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