研究課題/領域番号 |
20K07469
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49040:寄生虫学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
安田 好文 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50333539)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 訓練免疫 / 寄生虫感染防御 / IL-33 / TSLP / 自然免疫 / RBBP9 / IL-13 / ILC2活性化 / Th2分化 / TSLP産生 / IL-33産生 / CD4非依存性 / 粘膜型肥満細胞 / IRF4 / IL-25 / 好酸球 |
研究開始時の研究の概要 |
寄生虫に感染すると、自然免疫と獲得免疫が発動するが、同じ寄生虫に再感染した場合には獲得免疫の免疫記憶迅速な免疫応答が起こり感染から生体を防御する。一方、線虫感染を経験したマウスは異なる寄生虫感染に対しても抵抗性を示すことがあり、この反応は獲得免疫ではなく自然免疫による。感染経験マウスのグループ2自然リンパ球(ILC2)はナイーヴマウスILC2と比較して次の感染に対して早く強い反応を起こすことからメモリー様ILC2になっていると考えられる。本研究ではメモリー様ILC2の特徴とその誘導機序を明らかにする。
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研究成果の概要 |
糞線虫感染後の寄生虫種非特異的な感染抵抗性(訓練免疫)にIL-33によるILC2活性化が必須である。同様にILC2を活性化するTSLPの糞線虫感染抵抗性における役割を検討したところ、TSLPは感染初期の抵抗性にCD4陽性T細胞非依存性にも関与することがわかった。TSLPの訓練免疫における影響を検討したところ、TSLPRKO/C57BL/6マウスでは訓練効果を示さなかった。IL-33誘導に関わるRBBP9欠損マウス、IL-13欠損マウスでも同様に訓練効果はみられなかった。以上より、訓練免疫に重要なメモリーILC2誘導にTSLPとIL-33の発現誘導が重要であると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ILC2は感染免疫に貢献する一方でアレルギーなどの炎症性疾患でも増悪因子として働く。メモリー様ILC2は慢性アレルギー性疾患で関与すると考えられ、その誘導機序の解明は慢性アレルギー疾患の病態解明に重要である。本研究ではTSLPやRBBP9, IL-13などの因子が寄生虫感染による訓練免疫獲得に必須であることを見出したが、これらの因子はメモリー様ILC2誘導を介して慢性アレルギー疾患でも増悪に関与すると考えられ、新たなアレルギー性疾患御治療戦略の新たな標的となり得る。
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