研究課題/領域番号 |
20K07473
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49040:寄生虫学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
安田 加奈子 (駒木加奈子) 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等研究, 研究所 熱帯医学・マラリア研究部 研究員 (50415551)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | マラリア / マラリア原虫 / 転写因子 / RNA結合ドメイン / KHドメイン / ChIP-Seq / 表面抗原多型 / レポーターアッセイ / 転写調節 / 細胞内局在 / プロモーター |
研究開始時の研究の概要 |
マラリア原虫が赤血球内に寄生して分裂増殖を繰り返す「赤血球内寄生期」で発現する遺伝子群は、それぞれが一周約48時間の細胞周期の中でタイトに決まったタイミングで発現することが知られている。本申請研究では、「この様な厳密な発現制御はどのような分子機構によって成されているのか。」という根源的な問いに答えるために「原虫に独自の転写因子の核局在の調節メカニズム」と「転写因子がターゲットとする遺伝子群のプロモーター領域の共通配列」を明らかにしていく。
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研究成果の概要 |
マラリア原虫独自のRNA結合ドメインを持つ転写因子がその制御のターゲットとしている遺伝子群を網羅的に探索した。その結果、表面抗原遺伝子群、また代謝に関わる因子群が同定され、原虫の抗原多型のswitching、house keepingな代謝などの、生育の根幹に関わる遺伝子群の発現が調節されていることが示唆された。既存の報告と合わせて考察した結果、RNAとDNAの両方に結合する性質を持つ因子群が、 原虫核内のユークロマチン領域が集積する転写活性化コンパートメントに局在し、様々なタンパクと共役しつつ転写活性化装置を形成し、転写の促進をおこなっているという可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界三大感染症のひとつであるマラリアを引き起こす病原体である、マラリア原虫既存のモデル生物から系統的に遠いために、基礎的な分子生命機構の理解が十分に進んでいるとは言い難い。我々は原虫の寄生適応の根幹を成すと考えられる転写制御機構に着目し、そこに関わる分子メカニズムを明らかにしていきたいと考え、以前に発見したRNA結合ドメインをもつマラリア原虫独自の転写因子の機能の解析をおこなった。その結果、原虫の宿主の免疫回避する機構に関わる抗原多型のスイッチングに関わることが示唆された。疾病としてのマラリアの理解、また、生物学的に新規な因子の機能の発見、両方の側面から意義のある結果となった。
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